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フェティッシュの火曜日
 
ピカピカのおじさんと別府、地獄。

鬼山地獄はマレーシア家屋とワニ園がウリ(書いててよくわからなくなってきた)

たまに鬼がいてここが地獄であることを思い出させてくれる
しかしなんでワニがいるのか

 

「当地獄」という表現を生まれてはじめて見た

ワニも熊八さんが

地獄のなかでも一番びっくりするのがこの鬼山地獄だろう。通称ワニ地獄。だってワニがいるから。あとマレーシア家屋。うおー。なんでだー。

こ のワニにも油屋熊八は一枚かんでいる。初めて地獄を見世物にしたという宇都宮則網さんと熊八さんが大正11年に温泉の熱によるワニ飼育を思いついたらし い。大正11年、どんな時代かと思って調べたらオスマン帝国が滅亡した年だった。そんなときにすげー熊八っつぁん!と思ったのだが何がすごいのか一瞬思い ついてすぐに忘れて分からなくなってしまった。

とにかくそんな昔によくワニを飼育しようと思いついたなと思う。

 

おい、それはうそだろう

熊八さんの周りもすごい

熊八さんがすごい、と言ってしまったが正確にいうと熊八一派がすごい。さっきの宇都宮さんもそうだが周囲におもしろい人間が集まっていたのだという。

例 えば熊八さんの息子。「お父さんの手のひらは大きいから全国から手のひらの大きい人を集めて大会をやればいい。」とすごいアイデアを出した。それを実行す る熊八さんがまたすごい。手がでかい大会だ。会場各所ででかー!でっかー!と声が上がっていたのだろうか。大丈夫なのか、ちゃんと盛り上がったのか、と妙 に心配してしまったが、熊八さんは全国7位という結果を出した。けっこうでかいっ!

 

温泉マークも熊八さんが…!?

と ころでその手のひら大会のときに全国から送られてきた手形の一枚を見て熊八さんは温泉マークを思いついたらしい。湯気が3本上がったあの地図記号だ。とい うのが別府で仕入れた情報なのだが、調べると他にも有力な起源説があってどうも言い切れない。さっきの「伝説を疑う」著者の気持ちがちょっとわかってき た。

やっぱりここは嘘みたいな街でおもしろい。


かまど地獄。地元の高校生が作ったというオブジェ。そういう青春もある。

 

韓国からの団体のお客さんで桃色に染まる足湯

国際観光都市別府の今

かまど地獄に行くとツアー客の人たちがいたのだが、外国の方だった。そうか韓国と大分は近いもんな、と勝手に納得したが、国際的といえば熊八さんである。

熊 八さんは別府を海外に宣伝したいと思い、お仲間の凡平さんという人がクリスチャンで渡米する機会があった際には、兜に陣羽織、ノボリには「山は富士、海は 瀬戸内、湯は別府」の文言をいれるという桃太郎さんスタイルでアメリカの主要都市を行脚させたという。時は昭和3年。ミッキーマウスが公式に初めて映画に なった年であるが、そんなアメリカに「湯は別府」である。でもそのおかげで今の別府があって、ディズニーもあるんだろう。随分と適当なことを言ってしまっ た。


お母さんの地獄とのふれあい
ライター石川さんの地獄とのふれあい

 

ところで地獄というのは全体的に硫黄くさい

日本初のバスガイドさんはずっと七・五調だったらしい

と ころで熊八さんのバスガイドだけれども、最初は晴れ着で色っぽい装いだったそうなのだがそれでガイドするにはあまりにも肉体的に過酷だったらしい。途中で 洋装にかえたところ、お客さんからブーイングが頻出。修学旅行生だけじゃなくて、バスガイドさんが好きというのは昔から普遍的なものだったようだ。

と いうことで色っぽさに代わる楽しみを、と考え出されたのが案内を七五調にして唄うように案内するというもの。これも熊八さん周辺の文人が考え出したのだと いう。このかまど地獄でガイドさんに出会ったのだが、さすがに七五調でなく普通にしゃべっていた。八・四調とか十二・一調とかアバンギャルドな進化をしな いでよかったと思う。今は普通がいい時代、だ!(この文十二・一調)


こうした何気ない緑地帯が
「地獄地帯公園」という名前でギョッとしたりする

つづいて山地獄です。といわれても困るだろうが、これが山地獄なのだ。

 

 
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