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はっけんの水曜日
 
箱枕で寝ぐせ知らず

ほら。

箱枕を使う上で一つ注意事項がある。普通枕は敷き布団の上に置くと思うのだが、箱枕は布団の外に置くのだ。そうしないと安定しないし、こうるすことで箱の高さを相対的に低くできるというメリットもある。

しかしどうだろう、箱枕一つでいつもの寝室が一気に時代絵巻だ。よいではないか、よいではないか。

ではいざ眠ろうぞ。

一気に江戸だ。  
ではまずこのまくらの一つの自慢である船型カットによる寝返りの打ちやすさを検証してみよう。この状態がほぼ仰向け状態だ。ここから左に寝返りを打つ。
この状態から。  
ほうらどうだこのスムーズな回転。船型カットの威力発揮だ。ほとんど力を加えることなく、頭の重心を軽く移動させるだけで寝返りを打つことができた。これは低反発枕とかおかしくって使っていられないぜ。
左にハンドルを切る。  

どうなんだ、箱枕

しかし横から見ると一気に不自然なのでびっくりだ。箱枕の高さについては十分に検討したはずなのだが、それにしてもこれはつらい。

絶対おかしい。  
布団をかけてみてもその異様さは明らかだ。完全に視線はつま先を向いている。このまま眠ったら確実にいやな夢見そうだ。というか眠れるのかどうかすら不安。
布団を掛けても肩くらいまで浮いている。  
首が外れそうだ。 予想通り眠れない。

しかしこうして見る限り、寝ぐせの原因である枕と頭との設置面積は通常の枕に比べて非常に小さい。ほぼ首だけで支えているといってもいいだろう。対寝ぐせ効果は期待できそうだ。

不自然な体勢に「これでは眠れないだろう」と思っていたのだが、ふと気を抜いた瞬間、もう目覚ましが鳴っていた。朝が来たのだ。信じられないが熟睡だった。もしかしたらこの箱枕、より快眠を誘ってくれるのではないか。そう思ったくらいだ。


枕、なくなっていました

起き上がるまでは。

目覚めてみてびっくりした。僕にしてはめったにないうつぶせ寝になっていたからだ。なんとなく両肩と首が痛いのは、途中までがまんして箱枕で寝ていたせいだろうか。一度夜中にびくっとして目が覚めたように思ったのは、たぶん落ちた瞬間だ。

いつの間にか朝でした。  

もういい、寝心地がよくないのはなんとなくわかっていた。では肝心の寝ぐせはどうか。劇的に効果があるのならば、捨てたもんじゃないぞ、ということにならないか。

昨日はわざわざいつもよりも髪に水分を多く残した状態で寝たのだがどうだろう、ほら、あまり寝ぐせがついていないではないか。

わかっている、これはうつぶせ寝による効果だっていうんだろう。そう、期せずしてうつぶせで寝たら寝ぐせはさほどつかない、ということを発見してしまったのであった。

頭ががんがんするよ。  


とにかく寝ぐせはつかなかったです

箱枕、うまく使えば髪型をキープしたまま次の朝を迎えることができるのかもしれない。単に僕の寝相が悪かったのか、もしくは我慢が足りなかっただけなんじゃないか。ただ、今は寝ぐせなんかよりも肩と首の鈍痛の方がずっと朝の時間をむしばんでいるのでした。あと寝ぐせが気になる人はちゃんと髪を乾かしてから寝たらいいと思うよ。

痛くて起き上がれない。


 
 
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