埼玉県には鳩ヶ谷という市がある。
「はとがや」という地名は前々から気になっていた。なので今回はハトの名を冠する町のハトはいかなる状況にあるのか調べてみたい。
鳩ヶ谷は、はたしてハトのサンクチュアリみたいなところなのだろうか。「鳩ヶ谷のハト」を探しながら歩き回ってみた。
(text by 藤原 浩一)
ハトバレー
鳩ヶ谷市は埼玉県の南部に位置する市だ。その面積は蕨市に次いで日本で二番目に小さい。「二番目」「小さい」という平和なアイデンティティがなんともハトっぽさを醸し出していると思う。さらに市の鳥はキジバトだそうだ。
まずはそんな鳩ヶ谷市の町並みをご覧いただきたい。
ハト用の駅が上空にあるわけではない
ぽっぽ小
来てみると、鳩ヶ谷駅、鳩ヶ谷小学校と書いてある。地名だから当たり前なのだが。どんなハトが出てくるものかとわくわくしてくるではないか。
さらに歩きまわると、冷静に地名を付ける施設があるだけでなく、「ハト」を押し出した店なども散見された。
市民センターもハト
ここに住んだら年賀状は必ず出す
さすが鳩ヶ谷という感じである。英語も混じえつつ、ここまでハト押しで来られても違和感のない街はここだけだ。さすがハトの本場。
そんな素敵なまちを楽しんでいたのだが、必ずしもハト押しで来るかといえば、そうでもないようだった。
スワンねえ
たか派
鳩ヶ谷で「ハト」とつけられそうなところにハト以外を用いると反抗的に見えてくる。「なんでいるか?」「どうしてスワン?」と考えてしまう。特に「たか」なんて挑戦的すぎるだろう(鳥のタカかは知らないが)。
「鳩ヶ谷のハト」探し
さて、僕が求めているのは、鳩ヶ谷のハトだった。しかし、不思議なことに上記の写真を撮っている間、1羽もハトの姿を見かけなかった。鳩ヶ谷なのにハトがいない。矛盾だ。
とりあえず場所が悪いのかと思い、ハトがいそうな場所へ足を運んでみた。
市役所の広場。やはりおらず
しかし、いない。ハトといったら神社や広場だと思っていたのだが。そのほか駅前などを歩きまわってみたが、ハトの姿は全然見当たらない。
どういうことだ。ハトはどこへ消えた?
ちょっとえっちな銅像はあった
鳩ヶ谷なのにハトはいないのだろうか…。いや、いないことはないだろう。ハトだし。でもどこに? と考えていたら、鳩の存在を証明するものを発見した。
とりえあえず記念撮影
ハトのフンだ。
ちょっと興奮して記念撮影とかしてしまった。やりすぎたかもしれない。よく考えたらハトのものとも限らない。「近い・・・」とさえ思っていたが、どうみても乾いている。
しかしこのときは、鳩ヶ谷にハトはいるんだという確信と、さらなるハト探しを続ける勇気を得ることができた。