無数の一見無意味な経験が今の自分を形作る
―そもそもなぜ「手芸」だったんですか??
大図「もともと絵を描くのは好きで。イラストレーターやってた母親の影響かな。大学は文学部で、絵とは関係なかったんですけどね。
大学を出て就職できなかったんで、絵ばかり描いてました。手芸はその延長で・・・。洋裁から入って、編み物・・・刺しゅう・・・と。絵を描いてたので、刺しゅうなら絵をそのまま図案にできるのがいいですね。
―刺しゅうにもいろいろあるけど、クロスステッチが合っていた、と。
大図「普通の刺しゅうもやってたんですが、きれいに刺しゅうするにはすごく技術が必要なんです。その点、クロスステッチならドット絵だから、入っていきやすかったですね。ドット絵にはドットの図案の面白さがあるから。見た目もかわいいし。もちろんクロスステッチでも綺麗に刺すのには、それなりに時間が必要ですよ。
―ドット絵って、確かに絵が「決まる」。ドットと手芸って、接点いろいろありますよね。織物とか編み物もそうですしね。
大図「僕は小心者で(笑)、基礎からきっちりやろうと思うほうなんで、刺しゅうAtoZみたいな本を買って、初めから本のとおりに練習しました。刺しゅうのことは全部知っときたいなと思って。
ところが、自分の作りたい図案の載ってる本がないことに気づいて。こりゃいかん!と思って、自分で図案を作り始めたんです。
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