マスコさんVSおじさんの戦い勃発
ホッピーとモツ煮を注文したところで早速お話しを…と思っていたところ、私の隣に1人のおじさんが座りました。
どうやら常連さんらしく「マスコちゃんの顔見にきたんだよ〜」とすでにほろ酔い。
そして次の瞬間、マスコさんと呼ばれたおばちゃんの口から凄まじい罵声が飛び出しました。
「都合のいいときばっかり顔見せに来たなんていいやがって。私はお前の面なんか見たかないんだよ!」
乱闘でも始まるんじゃないかという勢いでしたが、これがいつものやり取りらしく、おじさんは「そんな冷たい事いうなよ〜」と赤ら顔で受け流しています。
そしてマスコさんの説教はまだまだ続きました。
酒はちょっと飲んできたけどご飯を食べていないというそのおじさんが握り飯でも握ってくれと頼むとマスコさんは
「お前に食わせてやる飯なんかないよ!」と、一蹴。
これは物凄いところに来てしまったなぁと恐縮していると、そのおじさんは私に話を振ってきました。
腕につけている怪しいブレスレットを見せてくれて「これシンガポールで買った魔よけのお守り。これつけてれば悪い女は寄ってこないんだよ」と自慢していました。
思わず笑ってしまうとすかさずマスコさんが
「お前なんかそもそも女なんか寄ってこないんだからそんなもん必要ないだろ!」と、また一喝。
まるで漫才を見ているかのようで、周りのお客さんも一緒になって笑っていました。
さらにおじさんはよくお財布を失くしてしまうから財布に紐をつけてズボンにくっつけてある、これでもう失くさないぞと自慢していたら、ついにマスコさんがカウンターから出てきました。
「そんなことしたっていっつも結局失くしてるじゃないか。私が預かってるお前のカードで何回金おろしてやったと思ってるんだよ!」と、おじさんから財布をふんだくり、中身がちゃんとあるか確認していました。
そしてきっちりその日の飲み代を徴収していました。
怒られつつも腹が減ったとせがむおじさんに対して、マスコさんはとてもおいしそうな卵焼きを焼いてあげていました。
ああ、こういうのなんだかいいなぁ、暖かいなぁとしみじみしていたのですが、肝心の話しが聞けるような状況ではありませんでした。 |