東京都江東区にパナマ運河があることをご存じだろうか。 今回は、水門写真の第一人者にそのパナマ運河を案内してもらった様子をご紹介したい。
(text by 大山 顕)
■第一人者とゆかいな仲間たち
「水門ツアーが行われる」と聞いてあつまった人たち。ざっと30名ほど。集合場所である地下鉄はそんなゆかいな大人たちの熱気でつつまれた。
「ちょっと呼びかければ水門を見るために休日を丸一日費やす人たちが集まる」。日本はだいじょうぶだ、と思った。先進国とはこういう人たちがいる国のことを指すのだ。GDPじゃない。GMP(Gross Monozuki People)を提唱したい。
さて、このツアーのコンダクターたる水門写真の第一人者とは、佐藤淳一さん。写真家であられる。この佐藤さんは古くから「Floodgates」というおそらく世界で唯一の水門写真専門のウェブサイトを開設している。
500以上の美しい水門写真を楽しめるこのサイト、古くからあるのでご存じの方も多いかと思う。ご存じない方はぜひご覧いただ きたい。素敵なサイトでぼくのあこがれだったのだ。
ブログなんてものがまだ影も形もなかったころ、林さんの「ガスタンク 2001」、萩原さんの「ダムサイト」、ぼくの「住宅都市整 理公団」、そして佐藤さんの「Floodgates」が"土木鑑賞サイト4巨頭"だったのだ。いま書い てて思ったが「巨頭」て言えばいいってもんじゃないな。
そんな佐藤さんにつれられて、今回は東京の南東部、江東区と中央区をまたぐように計6箇所の水門をめぐる。
そんな東京の下町に水門がたくさんあるのか、とお思いのあなた。甘い。素人だ。いや、甘くても素人でもいいんですが。このあたりは江戸時代に作られた水路が縦横無尽に走っていることと、埋め立て地がたくさんあることで、水門の大肥沃地帯となっているのだ。
ちなみに、今回のメンバーの中には当然萩原さんも参加。ダムと水門という同じ「堰き止め系」マニアとしては当然の交流だろう。
ところでnifty地図ではいくら拡大しても水門の名前はおろかその存在さえも表示されない場合がある。この場を借りて強く改善を求めたい。レストランとかより水門の方が大事だよ。