■興奮は最高潮へ
いや、告白するがぼくもたいへんに興奮していた。水門が動いたってだけで大人たちが大興奮。
いまあらためて見てみると、単にでかい赤い板が降りていってるだけだ。それを見せるためだけに500Kバイトを費やした。いや、でもほんとかっこいいんすよ。
左から隅田川方向へ行く場合には、とうぜん逆のプロセスをたどる。
■なぜこんなことになったのか
さて、そもそもなんでこんな水位が違うのか。パナマ運河なら話はわかる。なんせあっちは太平洋と大西洋だ。規模がそこまでグローバルとなれば水位が違うのもうなずける。
しかしここは江東区だ。小名木川や旧中川と隅田川が自然に水位が違うわけがない。ほっとけばすぐいっしょになるだろう。
実は、「水位が違う」のではなく「水位を変えている」のだ。
江戸時代から埋め立てられてきたここは、その後の工業用水のくみ上げによって地盤沈下が起こり、ほっとくと川は地面より上を流れてしまう。高い護岸で水位をそのままにしておいてもよいが、そうすると地震などで決壊したときにたいへんなことになる。
そこで横十間川、小名木川、旧中川などを、西の隅田川、東の荒川とは切り離して(正確には排水機場というもので仕切って)、むりやり水位を下げている。
そして、仕切ったままでは船が行き来できないので、ここのような「閘門」が必要というわけ。