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チャレンジの日曜日
 
ちょっとだけタイムカプセル


タイムカプセルって、やってみたかった。おもいでの品やメッセージを詰めて未来の自分におくるタイムカプセル。卒業や、なにかの記念に埋めた人も多いんじゃないだろうか。経験のないぼくには、そんな人たちがとてもうらやましい。なのでぼくもタイムカプセルをつくることにした。でも、それを受け取る楽しみを、10年も20年も待っていられそうにない。

というわけで、期間を短めに設定し、1週間後に掘り出すことにしました。ちょっとだけタイムカプセルです。

櫻田 智也



●タイムカプセルをつくる  

なにぶんタイムカプセルに関しては素人だが、イメージされる中身といえば、おもいでの品や当時の様子がわかる資料などがスタンダードなのではないだろうか。

そんなわけで、ぼくもそれらに相当するものをいろいろ集めてみた。どんなものを埋めたのかは後でみていただくが、1つだけ先に紹介したいとおもう。

 メンターム

どうでもいい情報なのだが、ぼくはメンターム中毒だ。いつも特大サイズを持ち歩いている。もし忘れて外出してしまったときなどは正直泣きそうになる。塗りたくなったときのことを考えてはやくも困ってしまうのだ。


艶のあるそのまあたらしい表面に
指を挿し込む罪悪感といったら

で、どうしてタイムカプセルに入れるものとしてこれを選んだのか。
カプセルの中に未使用のものを1個入れておき、もう1つ準備した新品を、カプセルを埋めた日から使いはじめる。その2つを後にならべてみることで、普段なら気にもとめないだろう1週間という時の経過を、はっきりと感じとることができるのではないかと考えたのだ。
身近なものに季節のうつろいを感じる、みたいになるだろうか。

 

●未来予想のはずが来週の予定に

タイムカプセルの中身として欠かすことのできないものといえば、未来の自分へと宛てたメッセージではないだろうか。これこそがタイムカプセルの醍醐味にちがいない。たとえば世の中や自分自身がいったいどんなふうに変わっているのか、そんな予想図を描いて将来の自分に問いかけたりするのだろう。というわけで、ぼくも自分の未来の姿を予想することにした。


既にジャージ姿で穴掘る気満々

ところで、小学校の頃の卒業文集に、30年後の自分の姿を予想するという企画があったのだが、ぼくがそこに描いた30年後の自分は、「係長」だった。地に足のついた少年といえる。
さて、意気込んで書きはじめたのだが、これがどうにも難しい。なにしろ期間が1週間なのだ。その間にびっくりするような変化が身のまわりに起きているとは到底おもえない。なにかあるとすればたぶんそれは災いのたぐいであり、そんな未来を想像したくはない。
どうしよう。あまり絵空事では最初から冗談になってしまうし……などとおもいながら筆をすすめたのだが、


ぼくの未来予想図

これは未来予想ではなく来週の予定である。難しい。1週間後の未来、近すぎる故に難しい。記憶を失ったブロンドの美女と喫茶店をはじめているということはさすがにないだろう。だからといって、不燃ゴミをだしている未来のどこに胸躍るというのだ。

箇条書きはやめにして、手紙スタイルでメッセージを贈ることにした。そのほうが未来予想などと気負わずに書けそうだ。

おもわず真剣

1週間という時間にさまざまなおもいを馳せる。未来のぼくと現在のぼくはもちろん同じ人間なのだが、こうして手紙を書いていると、これを受けとるぼくはなんだか別人のようにおもえてくる。少し不思議な感覚だ。


なんだかんだで2枚目に
書き上げた

やっとこ手紙ができあがった。

 

●いっしょに梅とか漬けてそうなタイムカプセル

紙ができたところで、ついにカプセルにものを詰める作業に入る。


詰め込み作業。準備段階のクライマックスだ

せっかくだからもう少し楽しそうな表情をしてもいいのではないかと言いたくなるが、こんな顔でも本人は楽しんでいる。ただ、念のためにと入れたプチプチがやけにかさばって、ちょっと困っているのだ。


カプセルにもメッセージを貼り付け、完成!

開けたら梅とか入っていそうなタイムカプセルだ。地中に埋めて完熟させる知恵か。

なにしろ期間が期間なのでそんな頑丈なものが必要とはおもえず、このくらいの雰囲気が妥当と判断した。貼り付けたコピーが妙に本気で気恥ずかしい。

それではこれから、タイムカプセルを埋めにいきます!

 

 
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