ホテルの入り口にバナナを放置する
いったんホテルに戻り、ちょっとだけ食事に行くことにした。同行のライター2名がそれぞれ部屋で荷物の整理をしているあいだ、僕はひとりホテル入り口の植え込みにバナナを置いていた。
これでこのあと僕がごはんを食べたり寝たりしているあいだもバナナが勝手に冷えてくれる、はずだ。
北見の街。手袋してないと手が痛い
寒くて温度計が変な表示に。たぶん-9.7度。
雪に触れないようにバナナを置く
バナナを雪に触れないようにしたのは雪の中はあたたかいからだ。5年前のトライのときに地元の人に聞いた。雪の中はあたたかいからバナナは凍らないよ。かまくらの知恵がバナナに生きている(逆の方向で)。
食事をしてホテルの部屋に戻って一息ついた。そのあいだも常に頭の片隅にはバナナがあった。バナナよ冷えよ。
北見名物の目丼(目玉焼きが乗ってる)を食しているあいだにもバナナは冷える
ホテルでひと休み、そのあいだもバナナは冷える
翌朝
そして翌朝は快晴であった。しかも-17度まで冷えこんでくれた。バナナは凍っているだろうか。ひとつ気がかりなのはバナナがあるかどうかだ。
カラスや酔っぱらいが持っていってないか心配だ。
同行の石川くんに撮影を頼んで外に出た(大北くんはまだ寝ている)。
ホテルにはこんなプレートがあった。
寒さを感じる写真になった
バナナ発見!
バナナはあった
バナナはかちんかちんに凍っていた。黄色が濃くなっている。5年前のしばれフェスティバルで見た凍ったバナナの色だ。懐かしい。バナナの色で懐かしさを感じる人生を歩むことになるなんて子どものころは想像しなかった。
じゅうぶんな硬さ
せーの
カン、カン
ばっちりです
あっさりと達成
僕が楽していようといまいと凍るときは凍る
目的を達成した。僕が屋内でのんびりしていても寒ければバナナは凍る。自分も一緒に凍る必要はなかった。
わかったこと:うまくいくときは楽しててもうまくいく(だめなときはがんばってもだめ)。
同行のライター大北くんが起きてくる前に釘を打つ撮影を終えた。彼はバナナが凍っていたことも知らないし、それで釘が打てたことも知らない。
知らないうちに奇行を達成できたことも妙に爽快である。
冷蔵庫でもいいのかも
帰宅して、撮影に使わなかったバナナを家の冷蔵庫に入れた。
そのとき思った。わざわざ北海道まで行ってバナナを屋外で凍らせずとも、冷蔵庫でよかったのではないか。冷蔵庫では凍らないとしても冷凍庫がある。したの扉だ。冷蔵庫でバナナは凍るか、それで釘は打てるのか。釘が打てたらショックなので試していない。
それはまたまた5年後にしよう。5年ごとにバナナを凍らせる人生である。
東京に帰ってきたバナナ(イメージ)。