●主役にならない食べ物たちの味
続いて試してみるのは寒天。あんみつなどに入ってる半透明の四角いやつは寒天から作るだろう。個人的にあれが好きなのだ。
海藻から作られる寒天。ならばそれだけ食べてもそれなりにいけるんじゃないだろうか。
バリッ!と丸かじりしてみる。うーん、これは……。
おいしくない。口の中でもしゃもしゃするだけで、ちっともうまくない。なんとなくビニールを思わせる食感もなかなか厳しい。これはやはりちゃんと溶かして使うべきだ。
寒天を噛みながら見ていたパッケージのお願い欄。前半はいいとして、最後の2行に「わらくず、土等がついていることがありますので…」とあるではないか。
そんなのちゃんと見なかった。食べちゃったかも、土。
味としても気づきとしてもウヘーという感じだった寒天。残念ながら寒天丸かじりはやめておいた方がいい。
続いて試してみるのは、日本酒に入っていたり、酢の物などにかかっていたりするのをたまに見かけるあれだ。
金箔だ。誰が最初に始めたのか知らないが、食べ物に金箔がかかっていたり混ざっていたりすることがある。食品コーナーに置いてあったので、一応食品と言うこともできるのだろう。
成分を見ると、98.9%は金であるらしい。かなり本気で金だ。
袋から出してみてもやはり金。もうこれは金そのものであって、食べ物ではない。
それでも食べちゃっていいらしい。飾り用の要素が強く、もうあからさまに金属であるわけだが、これだけで食べると一体どんな味がするのだろうか。
うーん、もそもそする。おいしくない…。
味はないと言っていいだろう。もっと「ザ・金属」といった味がするかとも予想していたのだが、そんなことはなかった。逆に言えばそれで拍子抜けした感もある。
食材に豪華さを添える金箔だが、それだけで食べると豪華さはなぜか消える。うーん、という感じがするだけだ。
続いて試してみるのはもう一つ和の食材。よく吸い物に浮かんでいたりするあれだ。
麩である。吸い物がしみこんだ麩は実においしい。
この麩、実はそれだけで食べてもいけるんじゃないかと前々から思っていた。ちょっとしたスナック感覚で、サクッとおいしいのではないだろうか。
そんな期待はあっさり消えた。これはおいしくない。さらに言えばまずい。
小麦粉の生っぽさとでも言えばいいのだろうか。そうしたものばかり感じられて、ちっともスナック感覚などはない。うーん、残念。これからはちゃんと吸い物に入れて食べよう。
最後に試すのは、和の麩に対して洋のクルトンだ。和食と洋食の違いはあるとは言え、食品のイメージとしては少し似ている部分もあると思う。
スープに入ってるのを見るとなんとなくうれしくなるクルトン。パッケージにもあるとおり、カリカリしておいしそう。ただ、スープに入ってるとうっかりふにゃふにゃにさせてしまうことも多い。
クルトンだけを食べれば、カリカリ度100%だ。ではこれだけで実食。
これはおいしい!今回の試みの中で初めてそう思った。
カリカリとした食感に加え、香ばしい香りもする。塩系の味がほとんどないため、風味と噛みごたえが強調されて意外なおいしさにつながった。
やっとうれしい結果になった。納得度もおいしさも高いクルトン、スープに入れる前にちょっとつまんでみるのもいいと思う。
普通はそれだけで食べない食べ物試食会。あまりおいしいものがあったわけではないが、気になっていたことを試すことができた意味では納得した。
プリンやアイスに混ざっていることのあるバニラビーンズも、そのまま食べてみたら強烈過ぎてきつかった。
もう納得したので、これからは普通においしく使われた状態で食べることにしたいです。