別の利用法とは

まず生のウコンの皮をむき、おろし器ですりおろしていく。皮をむいた瞬間、ショウガのようなインドのお香のような、なんともいえないよい香りが部屋中に立ち込める。しかしここで油断してかじったりしてはいけない、すごい苦いから。そしてウコンって過剰に摂取すると逆に肝臓に悪いらしいから気をつけろ。

おろし器にかけると茶色い見た目からは想像できないほど瑞々しく鮮やかな黄色のウコンペーストが出来上がった。

パックでした

今回はなんとこれを肌にパックするのだ。ウコンには美肌効果と共に体毛の発育を抑える効果があるのだという。本当かどうかやってみるのだ。

コットンのフェイスマスクにウコンペーストをもみこんでいくとコットンはウコンエキスで一瞬にして黄色に染まった。今回は効果の有無を比較するため、顔の右半分にだけパックをすることにした。

パックは約15分間行った。

しかし一人で寝ながらパックしているととても不安になるのだ。毛が発育しないということはホルモンに語りかけるってことか。ならば眉毛とかも抜け落ちちゃうんじゃないか、ウコンエキスがじわじわと頭皮にも流れていっているがこっちも大丈夫だろうか。主に毛について悶々と考えていると10分くらい経ってヒゲの剃り跡がなんだかピリピリしてきた。

・・・

まさかこれまでの不安が現実になるのではないか。毛が抜ける？怖くなってパックを外して時計を見たのが約15分後だ。これで十分かどうかよく分からないがとにかく限界。

パックをはずしても眉毛は今のところ抜けていなかった。よかった。顔が半分だけ黄色くなっているのかと思ったが、さほどでもなかった。それよりもウコンの香りがとにかくすごい。けっして嫌な香りではないので問題はないのだが、これを書いている次の日でもまだ鼻の奥に残って取れない。嗅いでいるだけで肝臓がよくなりそうな気がする。

効果はあったのか

そして一夜明けた。前にヒゲをそってから約24時間が経過している。はたしてウコンパックの効能である体毛の発育を抑える、は作用しているのだろうか。ウコン成分を落とさないよう、昨夜は顔を洗わずに寝た。

見る限り眉毛が抜けているとかそういう劇的な変化は見られない。そして触ってみても左右共に微妙にヒゲが伸びていてざらざらするのだ。あれ。

しいていえばパックをした右側の方がなんとなくすべすべしているような気もするのだが、そんなの先入観かもしれない。どうにかしてこのすべすべ感を定量化できないものだろうか。

考えた挙句、肌の摩擦抵抗を計測することにした。方法はこうだ。コットンのパフを顔の表面に滑らせ、そのときの引っ張り力を計測する。手元にある方は試してみてもらいたいのだが、コットンパフはヒゲを敏感にキャッチし、生えている方向と逆に動かそうとするとたいした抵抗になるのだ。動かすのに強い力が必要な方が、よりざらざらということだ。

バネ定数の低い（伸びやすい）バネをスケールに固定し、その先にパフを付けて簡易測定器を作った。パフを引っ張ったときのバネの伸びを計測する。使用後のパフの表面の毛羽立ちを考慮するため、パフは計測後毎回交換する。左右共に5回ずつ計測を行った。

結果こんな具合だった

事前に計測したバネ定数は0.1kg(＝約1N)の荷重に対してバネが25mm伸びたことから1/25(N/mm)と概算できる。コットンを滑らせた時のバネの伸びにバネ定数をかけた値が即ち荷重だ。

測定の結果、なんともどうでもよい感じの結果が出た。パックを施した右側の方が荷重が小さい＝すべすべだ、といえなくもないが、誤差範囲とみた見た方が妥当ともいえる。最後の値が左右共に低くなっているのは顔が汗ばんでコットンが滑ったためだ。外因の方がよっぽど影響大。