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ちしきの金曜日
 
「ビル山水」を鑑賞する

■砂利と混乱

前ページ最後でも明らかなように、ビル山水の特徴のひとつが「砂利敷いてる」というものである。


こちらはかなりのマジ山水
「水」も完備。そしてポイントは玉砂利だ。

ビル山水がただの植え込みと一線を画すのはこの「なぜか砂利敷いてる」という点にあるのかもしれない。上はかなりのマジ山水。唐突感あふれる石灯籠はもとより、岩と白い玉砂利が山水感をぐっと高めている点が見逃せない。

ていうか石灯籠、入り口の照明に照らされちゃって、石灯籠としてレーゾンデートルの危機である。


ビル山水としては盛り込みすぎなこちらも
玉砂利完備

上の例などは、位置、規模、盛り込んだ要素の多さ、などでいまひとつ「ビル山水」としての風情に欠ける作品だが、玉砂利を敷くことでぎりぎりただの植え込みに堕さずにすんでいる。


そこまでして玉砂利敷きたいか

この「玉砂利欲」の力は大きいらしく、左のような作品も見かけた。手前の植物部分はその植物の種類、植え方、タイルで仕上げたその雰囲気、などから「ビル山水」ではなく「植え込み」と呼ぶべきものだが、よく見ると後ろに「水」と一緒に玉砂利スペースが。この位置にこの玉砂利プレイは不可解だが、これも「ビル山水」への憧れなのだと思う。


玉砂利オンリーで勝負した意欲作

左はビル入り口ではなく、ショウウィンドウの足下にあったスペースだが、この玉砂利っぷりはどうだろう。「あ!玉砂利!」と駆けよってぱしゃりと撮影した筆者だが、これはどうみてももはや「ビル山水」ではない。しかし植え込みでもない。第一植物がない。じゃあこれはなんなのかと問われると、困る。なんだろう、これ。なんのつもりだ。

ここへきて「ビル山水」とはなんなのか、という根本的問いを突きつけられたかっこうとなった。


明らかなショウウィンドウだが
なぜか中には玉砂利がびっしり

筆者をさらに混乱させたのが上の作品である。これはもうあきらかにビル山水ではない。はずだ。しかしこの玉砂利プレイはなんだろう。

いやいや、冷静に考えよう。ぼくが「ビル山水だ!」と感じるものに玉砂利があるからといってじゃあ玉砂利がある場所がビル山水かというとそうとはかぎらない。玉砂利が敷いてあることは、ビル山水であることの必要条件だが十分条件ではないのだこれはただの玉砂利好きによるショウウィンドウデザインなのだ。おちつけ。

いや、でもなんでショウウィンドウに玉砂利よ。

いや、よく考えたら必要条件でもない。


 

 
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