期待を裏切らない味
2人の前に変わったパンを並べ、それぞれ簡単に説明を加えた。僕は食べられないので、2人の感想を聞くしかない。この変わったパンはどんな味がするのか。読者の皆さんに伝わるかどうか、この2人にかかっているのだ。
林「この丁銀パンは磯辺もちとパンの味がします」 横山「うん、これも、おはぎとパンの味がする」 林「予想通りですね」 横山「うん、予想通りだ」
二人の感想は大体そういう感じであった。磯辺もちが入ったパンは磯辺もちとパンの味がして、おはぎパンはおはぎとパンの味がする。つまり、そのままである。
僕はこの時点で胃痛に耐える事が出来ず、ベンチで横にならせてもらっていた。
僕の胃痛を心配した横山さんが、村上龍は二日酔いの胃に強い炭酸飲料を流し込んで胃を鍛えていた、という話を始めた。
それを聞かされて、僕はどうしたらいいのか。 お腹を抑えながら黙って聞いていた。