酔っぱらいプレイ
原宿、竹下通りにきた。
酔っぱらいメイクの破壊力が面白くて、酔っぱらいがもっとも似合わない街にやってきた。反面、酔っぱらいがうっかり降りたら面白そうな場所である。
言ってみれば「朝まで飲んで帰りの電車で寝過ごして、しかも駅を間違えたのでついでになんか買って帰るおじさん」プレイだ。
しかし酔っぱらいが醸し出す物語は原宿の華やかな雰囲気に飲まれないか心配だ。原宿にいても酔っぱらいは酔っぱらいなのか、それともコスプレの一種になるのか。酔っぱらい vs 商業主義、僕の皮膚から10pぐらいのところのせめぎ合いだ。
酔っぱらいに扮したまま竹下通りを歩く。
着ぐるみを着た女の子がいたりして自由な街である。客引きも多いが、やっぱり酔っぱらいには声がかからない。酔っぱらい優勢だ。写真からも酔っぱらいとしてのストーリーが見える。
最後にラフォーレの前で写真を撮って原宿制覇の記念にしよう。
内面で負けました
ラフォーレの前で引きの写真を撮ってるときに思った。
はずかしい。
ネクタイを頭に巻いてみたり、シャツの裾を出したり。歩きながらズボンまた裾を入れたり。これじゃ酔っぱらいみたいじゃないか、いや、そうなんだけど。
僕はお酒の味が好きなんじゃなくて酔っぱらうのが好きなので、酔っぱらいメイクでも飲酒と同じ昂揚感が得られるのではないか。そう考えていた。
でも酔っぱらいの行動はアルコールを飲んでこそ、なのだ。体に心がついていってない。
酔っぱらいは心技一体である。 |