さっそく中川さんの部屋に案内してもらうのだが、ここで一つ訂正がある。さっき中川さんの家は立派な一軒家だ、といったのは間違いだ。あれは大家さんの家だった。中川さんはここの裏手の一角を間借りしているのだという。
案内されたのは古き良き時代というか昭和の香りというかアンティークというか、なかなかうまい婉曲表現が見つからないのがもどかしいが、田舎のおばあちゃんの家の裏っぽい場所だった。
通路脇にある銀のタンクは雨水をためておくためのものだ。蛇口をひねるといつでも使える。中川さんはこれで洗濯やらをするらしい。そうだいい表現を思い出した、エコだエコ。 |