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はっけんの水曜日
 
木の実食べたの誰だ

夜が更けてもバナナ健在。
が、次の朝も変わらず。

 

しかしモモタマナは食べられている。

バナナ、食べられず

夜が過ぎ、朝が来た。果たしてバナナはどうなっているのか。代わりに野球帽がかかっていたりしないかとかわくわくしながら見に行ったのだが、バナナは何もなかったかのようにそのままぶら下がったままだった。なぜだ、昨日は食べに来なかったのだろうか。

しかし足元にはまたたくさんの新しいモモタマナの実の種が落ちていた。間違いなく来ているのだ。ではなぜだ。

 

誰にも捕られず、バナナは風に揺れる。

二日目突入

一日目でバナナが取られなかったのはかなり予想外だが、相手も夜の商売だ、暗くて気が付かなかっただけかもしれない。寛大な気持ちで二日目の夜を迎えた。

夜11時を回った。今日もやはり誰もバナナに見向きもしない。設置場所が高すぎたのだろうか。せめて野球部が取ってくれたらぎりぎり記事にもできるのだがな、とかなり妥協的な気持ちでバナナを見上げていると、ふと近くの枝で何かが動いたような気がした。息を殺して様子を伺う。すると。

ポトリ。

モモタマナの実が僕の前に落ちてきた。いる。闇に目が慣れてくるにつれ、木の枝に何かがとまっているのが見えてきた。こいつが「食べてるやつ」の正体だ。

何かいるように見えるが。
光を当ててみて初めてわかった。

オオコウモリでした。

 

しっかりと実をつかんで食べている。

オオコウモリでした

正体はオオコウモリだった。はじめコウモリだとわからなかったのは、それが見たこともないくらいにでかかったから。子猫くらいあるんじゃないか。そんなのが枝にさかさまにぶら下がっているのだから野球部もびっくりだ。

絶対バナナ見てるだろお前。

沖縄にいるオオコウモリの仲間はクビワオオコウモリという種でその名の通り首の周りの毛が輪のように白い。亜種のダイトウオオコウモリは天然記念物にも指定されているほど全国的に見ても貴重な動物であるようだ。これら沖縄のオオコウモリ、その名に恥じず羽を広げると1メートルくらいあるというからむちゃくちゃだ。こうして遠くから見ているとちょっとかわいいが羽広げて向かってこられたらたぶん全力で逃げる。

バナナは普通に道に生えています。

それから吊るしてからわかったことなのだが、沖縄にはいたるところにバナナが生えて実をつけているのだ。もしオオコウモリがバナナを好んで食べるのならば、別に僕が吊るしたやつでなくてもそのへんに生えているバナナを食べていただろう。あえてモモタマナを食べにきたのだから、バナナを見つけても食べなくて当然だ。

ということで今回はバナナにつられたわけではなく、たまたまモモタマナの実を食べにきたコウモリを見つけて撮影することができたわけだが、これを機に気をつけてみていると、夜、空をばさばさ飛んでいるでかい影は、たぶん全部コウモリなのだろう。鳥は夜飛ばないだろうから。

どこがうまいんだろう

モモタマナの実を上手に食べていたのはオオコウモリでした。僕はヒトとしてバナナが好きなのですが、もしかしたらモモタマナはもっとうまいのではないだろうか。なにせ野生動物がバナナよりも先に選ぶくらいだから。

そう思って僕も木にぶら下がってモモタマナの実を食べてみたのですが、やっぱりおいしくなかったです。

木の皮食ってるみたいな感じでした。

 
 
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