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はっけんの水曜日
 
満月の夜、城を撮りに

夜の城。

 

昼の様子。

月光写真、撮ってみました

月明かりの下で写した写真は、目で見る夜の城よりもずっと生々しかった。月明かりで撮る夜景は都会の街灯で撮る夜景よりもさらにリアルに生を感じるだ。ちなみに昼間に同じ場所を撮影すると左のようになる。

実際に撮ってみてわかったことだが、満月とはいえとにかく深夜なので、ファインダーをのぞいてもカメラがどこを向いているのか全く分からない。つまり構図もピントもほとんどてきとうというわけだ。上の写真の撮影条件が感度ISO100、絞りF4.0、シャッタースピード60秒だった。デジタルカメラだとあまりシャッタースピードが遅いとノイズが乗ってきてしまうため、できるだけ感度を低く設定し、可能ならばノイズ除去機能なども使うとよい。

だいたいコツをつかんだのでもう一枚撮影してみた。

城壁と星。

昼の様子。

左は同じ場所から昼間撮影したもの。

夜の写真は石垣の質感がよく出ていると思う。しかしこのような写真に仕上がるには満月に近い光量で、しかもよく晴れた夜中でなくてはならない。また月の位置も重要となってくる。つまり撮りたい壁をきれいに照らす位置に満月が上ってきた瞬間を狙う必要があるのだ。そのために海彦さんは昼間のうちに場所を確認し、月の出てくる位置やタイミングを見極めた上でほぼ完全に撮影ポイントを選定しておくのだという。それだけ入念に計画を立てても雲の出方でひとつで撮影ができなかったりする。そんな彼の愛読サイトは気象庁ホームページ。雨雲レーダーとか萌え萌えらしい。

 

2時間いて撮れたの5枚

月明かりの下では一枚の写真を撮影するのにすごく長い時間を要する。そのため一枚に込める気持ちが重い。それがまた作品に深みを与える。

この日満月撮影を行った場所を次の日にもまた訪れたのだが、夜には気付かなかったいたるところに立ち入り禁止の表示を見つけた。それから昼間覗き込むと目がくらむほど高い場所にも夜には平気で三脚をセットしていたことがわかった。ほんと危ない。そういう部分も含めてやっぱり先にロケハンしておくべきだと思いました。夜の撮影を行う際にはこういう危険も常に頭に入れて、あくまでも自己責任で、お願いします。

流行らないだろうか(流行らないだろうな)

いま工場やダムの写真が熱い。そこに「満月、城写真」で食い込んでいけないだろうか。全国の城を晴れた満月の夜という非常に狭い条件で撮り歩くとたぶん10年くらいかかると思うのだが、海彦さんならやってくれるんじゃないかと思う。とりあえず今度は沖縄北部にある城を同じ条件で撮りに行く約束をしたのだが、いつになることやら見当もつかない。

海彦さんのホームページ
https://www.umihiko.net/

最後に二人で記念撮影。

 
 
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