海彦さんの城撮影スタイルはかなり特殊だ。満月かもしくはそれに近い月齢の、しかもよく晴れた夜にしか撮りに行かない。そのような条件がそろった日でないと上のような写真は撮れないのだという。今回はたまたま満月の夜、天候が彼の取り決める撮影条件を満たしていたため、出動となった。
最初にこうやって夜の城を撮ろうとしたきっかけはなんだったんですか
「いろいろなことに思い悩んでいたんだよね。とにかく暗いところに行きたかった」
・・・そうすか。
「暗いでしょう」
暗いですね。しかしいくら満月だからって夜中だ。普通の人は写真撮りになんて行かないだろう。行き場をなくした彼のダークサイドが彼を夜の撮影へと借り出したわけだが、実際撮ってみると実に自分のスタイルに即した作品が出来上がっていたのだという。好きなものを撮るうちにその手法を極めていったと思われる大山さん(参考記事)とはすこしアプローチが異なるわけだ。 |