■さわやかモテジャンクション・堀切ジャンクション
一級河川・荒川とそれに平行して流れる綾瀬川の2本の河川を「眼中ねーよ」とばかりに越えてみせるのが、堀切ジャンクション。地元民でなければ訪れることもないであろうなんてことない下町だ が、真に価値あるものとはこういうところに人知れず存在しているものなのだ。ミッドタウンとかヒルズとかに浮かれてるようじゃ、東京人としてはまだまだ。堀切にこそ行かなきゃ。
広い川沿いということで、空が広い。 都心部のビルの谷間に垣間見えるジャンクションの姿も良いが、こういうその全貌を鑑賞できるジャンクションもまたよい。土手ではランニングにいそしむ地元の方々なども見受けられ、どこまでも爽やかなジャンクションである。ぼくもこんなジャンクションになりたかった。
■シンパシー。小菅ジャンクション
モテ系の堀切からわずか1キロメート ルも離れていない場所にあるのが小菅ジャンクション。いわばご近所さんで幼なじみの二人だが、その性格は対照的だ。
近いだけでなく、両者ともきれいなY字型と一見似たもの同士のようだが、実際に訪れてみると雰囲気が全く違う。東京拘置所のお膝元だからというわけではないだろうが、なんとなく近寄りがたい雰囲気が小菅ジャンクションにはある。下を走る一般道もジャンクション付近で複雑な高低差があり、全体的に込み入った印象を受ける。堀切くんのスカッと突き抜けた爽やかさと対照的だ。自分の青春時代をふりかえると、個人的にはどうしても小菅くんのほうにシンパシーを感じてしまう。
も し外国の方に東京を案内してくれといわれたら、ぼくはラブホテルとゴルフ練習場とそしてジャンクションを見せたい。タルコフスキーの「惑星ソ ラリス」という映画の冒頭シーンでは未来都市の風景として首都高が撮影されそのまま使われている。きっと魅力的に見えるはずだ。はとバスもジャンクション めぐればいいのに。 今後も地道にジャンクション巡りは続けたいと思っています。大阪とか名古屋もいかなきゃ。