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フェティッシュの火曜日
 
米俵はどうやってほどくのか

民話の感触

さっそく解体作業だ。結び目を探してとにかくやってみよう。進むしかない。


側面からV字状の引っ掛ける紐が8本ほど出ていて、それらを対角線で星状に留めているわけですね。
これがその引っ掛けるV字状の紐。胴体にぐるっと通してある。
なかなか手間のかかる作業でして。
昔の人はこれを日常やってたのかとつくづく感心し、呆れるばかりだ。
やっとフタ、とれる。
ちなみにウラはこう。端で編んで折り返し、ぐるっと流して。

カパッ。

 

声が次第に大きくなる

だんだん核心に近づいてきた。いや、米俵の核心は当然「米」だが、見たこともない内部が現れ始めると興奮するのだ。ふだん米の包装材を扱っている田中さんも「ここまでは見たことがないです」と興味津々だ。


中はだいぶ荒々しいことがわかった。
こう押さえつつ開けるしかない。現代の利便性との対極。

1アクション進むたび、ひゃー!うおー!とうるさい。私が。でもどうしても声が上がってしまうんだ。

中には今日は軽い詰め物が袋に入って収まっていた。米を入れる場合も、現在はいったん袋に入れて収めるのだが、昔はここにじかにお米をいれていたわけだろう、ザザーッと。


しかも側面はこうなっているわけだ。

ここまで見せていただき、だいぶ興奮も収まってきた。静かにもとの形に戻し、最後のお願い。
「かつがせてください」。

米俵をかつぐ。あるようで一生ない体験だ。銀座の取引先でのイベントも、かついで写真を撮る人で大盛況だったという。

よっこいせ。中身は詰め物だが、米俵自体もなかなかずっしりとした手ごたえだった。


これで大晦日までは暮らせるぞ。

米俵についてはこれでもうお腹いっぱいになったのだが、精米工場が実に面白そうだったので覗かせていただいた。

 

 
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