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フェティッシュの火曜日
 
製材所で赤いレーザーが光る

こんなバウムクーヘンは作れない

秋田杉とひとくちにいっても、「秋田杉」と「天然秋田杉」という区別がある。
下の板を見てもらうと一目瞭然だが、左の複雑きわまりない木目が出るのが天然秋田杉。右のいたってシンプルな木目のものが天然ではない秋田杉、つまり「養殖」の杉だ。

自然にまかせるとこうも荒々しく育つものか。まるで別物!


どういう成長過程を経てきたか想像もつかない。
こっちはわかりやすい。
ぜんぜん密度が違う。燃えているような木目。
まるでモアレ画像だ。

バリエーションがありすぎる。
どうみても、「木ににらまれている」としか思えない。子供のころはこれが怖かった。

上の写真でもおわかりのとおり、板ごとに木目の出方は違う。燃え上がる炎のようだったり、サイケデリックなモアレ様だったり。天井板として1つの部屋、例えば8畳=4坪の部屋に張るのには当然、4坪分同じような木目の出方の板を揃えなければならないので、実際には板はその4倍くらいは確保していなければならない。

昔、「ふとん海水浴」という子供向けの絵本を読んだことがある。おしおきとして押入れに閉じ込められた子供が、無聊を慰めるために想像力を駆使して布団の中で泳いだり、壁板の木の模様をトンネルと見立ててその中に入っていったりする。

この天然木の木目も、この奥に道が続いているように見えなくもないが、単に林の中を分け入って・・・などというレベルでなく、まるでタイムマシンの通る道のようだ。そんなの通ったことないけど。時空を超えてどこか遠いところに連れていかれそうだ。それくらい激しい生長のあとである。

 

ぐっとくる設備あれこれ

私はこういうふだん見ることのできない興味深いところに来ると、本筋とは離れた箇所もまた気になってしょうがない。誰しもそうか。

その中からぜひに伝えたいと思ったものをここに紹介しておきますので、社会科見学の空気を共有しましょう。


頭の上に謎の建物。

サイロのようだと思った。惜しい答え!

穀物を貯めておく・・・のではなく、製材の際に出る粉塵を吸い上げてこの建物に貯めておく。

わざわざ別棟にするのはわけがある。機械の火花が粉塵の山に移って着火してしまったとしよう。すると、こういうものはすぐに炎があがるのでなく、中でくすぶってくすぶって、時には半日もの間、人間の目に見えないところでくすぶってやがて燃え上がるという、恐ろしい性質がある。そのためこのように分けているのだ。火花とはなんと嫌な奴だろうか。


ハヤオ映画にとても出てきそうな愛すべき機械。

生き物のような機械がごろごろしていて見るだけでも興奮する。

 

 
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