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フェティッシュの火曜日
 
1000羽の地鶏がいっせいにこっちを見た

ヒヨコセラピー

はーい、君たちー。ちょーっとお邪魔しますよー。


写真ではシーンとしてるように見えるが、ピヨピヨピヨピヨ実にかしましい。

中をのぞくと、うっひゃー!

なぜ壁際に固まろうとするのか。

 

ああ、この群れに手を突っ込みたい。この群れに体を沈めてみたい。

電球がぶら下がっているのは保温用という他に、刷り込みでこれをお母さんと思い、ヒナに秩序が生まれるというメリットもあるという。電球がお母さん。ヒナって・・・それでいいのか、ヒナよ。

訪ねたこの時間はエサどきだったので、腹いっぱいになったヒナたちが眠気を催し次々に倒れていく様子が見られた。


うちにもこのケージごと欲しい。なごみまくる。
妙に元気に走りまくるのもいれば・・・。

眠さで目が半開き。こんな小さいものにも眠気は襲う。
「・・・」 落ちゆく瞬間。

「zzz・・・」 立ったまま寝ている。その様子を見つめる同僚。
完全に落ちたものと、その様子を見ながら自分も眠くなる同僚。

入荷したばかりのヒナ1000羽はもちろんメスばかり・・・のはずだが、オスメス判別する段階で多少は判別違いが起こりうる。その場合に備え、保障として40羽、余分についてくるそうだ。

ちなみに、「比内鶏」と「比内地鶏」は違うものである。貴重な比内鶏は天然記念物に指定されていて食用できない。食用にするのは「比内鶏(オス)×ロードアイランドレッド(メス)」という交配でできた「比内地鶏」のほう。

そして、その交配種のみが比内地鶏と呼べるものなのだ。


この子らが入れられてきた箱。最初のおうちだ。
水飲み場は1マス1羽ずつ。
あとから写真を確認したら、見上げられてた。珍しいヒナだ。

ずっと眺めていたいが、そろそろ時間だ。ヒナに情が移っても困る。

出口に戻りかけると、床にカゴが置いてあり、1羽だけ隔離されていた。
尋ねると、「足が悪いのが1羽いてね。出荷はできないし早く死んじゃうだろうけど、別のカゴに分けて最後まで育てるんだ。」と吉田さんは答えた。


まだ幼いのが目の様子でわかる。

「1羽、足が悪い鶏がいる」のがわかった、ということは、日々それだけ心を配って世話をしているということだろう。

この見学の前、じゅんさいと一緒に食べた比内地鶏は脂がのって味があり、ほどよい歯ごたえで実にうまかった。あれが地鶏というものか。こういうふうに育つと、あのようなうまい鶏になるのか。「これが、あれになる」という基本が見られると、食事や生活にも気合が入る。

本当はいつもここのを食べたいけど、けっこうお値段がはるので、しばらくは思い出を消費するだけにしておきます。


 
 
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