この子は真っ暗な森に灯り無しでずんずん入っていくし、頼んでもいないのに木にすぐ登ろうとするし、それも何がいるかわからない木の上の穴にざくっと手をかけるし、しばらくしたら下のほうを流れる川に下りていくので「そこ川だよ!」と注意すると、
「うちに帰ります・・・」
と言って、川伝いに帰っていった。かっぱの子供だったのだろうか。
このへんが遊び場なんだろうが、とにかく地元の子は強い。こういうことを当たり前のように処理するのがかっこいい。「俺ら、これでも大人になっちゃったんだなあ、ああいうことできないなあ」と、男2人が嘆く。
虫夏フェス
暗い森の斜面を注意深く進む。私は枝を掻き分け、ふんばって歩くだけで精一杯だったが、両氏は懐中電灯で木々を点検しつつゆっくり進む。
と、そこここで声が上がる。「カブトいた!」「オニグモ!」「あ、コクワだコクワ」
そのたびに集合してしばしウォッチング。 |