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ひらめきの月曜日
 
タモリのカレーを食べた、作った

 

逃げ出したい

「ここに市販のルウでも入れて、あとは勝手に食べてください!」と言い置いて逃げ出そうかとも思ったが、そんなわけにもいかないだろう。

匂いだけは、おいしそうなカレーの匂いなんですがねぇ。野外の場合、持参する調味料はちょっと多めにしないと味の調整が不可能なんですねぇ。

でも、今さらそんなことに気付いてもねぇ…。


煮詰まっても味に変化は特に出ない模様
こんなに集まってくれて申し訳ない(この後、さらに増えて計14名に。ルー足りてない)

宮城さんの持ってくる肉製品は、どれも本当にウマイです
こちらは生サラミ。佐渡島で作っているそうですよ。

いつ「失敗しました」と言い出せばいいのかビクビクしながらも、気まずさをビールで流し込み、意味もなくカレーの鍋をかき回し続ける。

そうこうするうちに、鶏肉が繊維状になってきた。諦めが付かずに何度も味見をしたが、やっぱり致命的にコクが足りない。ああ、誰か私に炒め玉ネギを。


鶏肉がホロホロになってきましたが、味は相変わらず。
鶏肉の量をケチったのも失敗の一因かもしれません

 

一応、完成しました

たぶん私の険しい顔を見て、皆さんある程度、このカレーの出来を察してくれたのだと思う。

誰ひとり「わーい」だの「楽しみだー」だのと言って、私の悲しみを煽る発言をした人がいなかった。大人って素晴らしいですね。泣けてきました。

「当日は各自ライス持参のこと」と知らせてあった通り、皆さんライスを持ち寄ってくれており、そこに私が家で作ってきたマッシュカレーポテトを添えていきます。


マッシュポテトを添えたら、
カレーをよそいます。見てくれだけは似ているところが悲しさに拍車をかけます。
巨大なタッパーを持参してくれた方も
「とにかくグッチャグチャに混ぜてから食べてください! そうしないと死刑だそうですので!」と伝えました。

なんだかもう、無性に悲しかった。せっかくのGW、天気のいい一日、わざわざこうして集まってもらったのに、タモさんのカレーに似ても似つかないような物を皆さんに食べさせてしまった。

申し訳ない。すみません。本当にすみません。


無言で食べ続ける皆さん
私も体を小さくさせながら食べました

予想通り「味、ちょっと薄いですね」とか「コクが足りない」という声がポツリポツリと出始めた。大塚さんに至っては「普通のキャンプのカレーが食べたい」などと言い出す始末。

恐縮しているところに「あー、でもこのカレー、食べ続けてるとおいしくなってきますねぇ」という声が。え、誰ですか。今の発言の主は乙幡さんですか。

興奮して「そそ、そうなんですよ! タモリも10口目くらいからおいしくなるカレーって言ってたんですよ!」と思わず声が大きくなる私。

…みなさん、気を遣わせてどうもすみませんでした。


鍋をパンで拭うようにして食べきってくれた2人
結局、キレイになくなりました

多少、味が薄かろうがコクが足りなかろうが、カレーはカレーなのかもしれない。いろいろと、よく分からなくなってきた。カレーって一体なんなんだろう。

カレーがなくなっても持ち寄った食べ物を食べながら、しばらく河原で飲み続けました。


すっかり人がいなくなった河原で、突然タモリになる人(あくまでリスペクト)

リベンジは家で

私はこの日、なんだかもう腑抜けになってしまって、いろいろと捨て鉢になってしまって、河原の後に寄った居酒屋で、まぁひどく酔っ払ってしまった。

そんなことはどうでもいい。カレーだ。タモさんのカレーだ。

完璧なレシピがあるんだし、あとは各自で味を調整していけば、誰にでもおいしいカレーが作れるのだと思う。どうか私の失敗をいい教訓にして、皆さんもどんどん作ってみて欲しい。

それにしても、一気においしいカレーを200人分も作り上げたタモリさん及び東京カリー番長の皆さんって、本当に凄かったんだな…と、今さらながら思い知らされた。私なんて12人分だけでギブアップだ。

とにかくこれに懲りず、また作りたいと思います。ただし今度は家で。きっちり4人分くらいを目安に。

近いうちに作り直します

 
 
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