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はっけんの水曜日
 
商店街の和田アキ子さん

ポストの隣に何かある。

和田さん発見

がらんとした商店街の一番大きな通りを、出口あたりまで歩くとポストがあった。郵便局員さんが僕の横をバイクで走り抜け、ポストから郵便物を回収していった。そしてまた静かになった。

よく見るとポストの隣に何かある。

お。

お。

もしかしてこれのことじゃなかろうか。

アッコさんいた。

やっぱりそうだ。

和田アキ子さんの像はかなり想像を超えた感じの像だった。大丈夫なのだろうか、いろんな意味で。

上半身のみの胸像は斜め下方向を無表情ににらんでいた。なにより目に付くのはその両手の不自然さだ。何かを握っていたかのような右手、そしてソリッドな左手。

胸像の台座にはこう書かれていた。「この像は魔よけ像である。頭をなでれば全ての悪が振り払われる。文句あるやつはいつでも受けて立つ」。ちなみに僕は頭をなでられなかった。

かつて何か持っていたっぽい右手。
そして荒々しい左手。

 

像を管理する親川さん。

この像はなんなんですか

現在和田アキ子さん像を管理しているNPO法人児童デイサービス「そら」所長の親川さんにお話を伺った。

「もともとはテレビの番組からこの商店街へ贈られた像なんです」

詳しいいきさつは不明だが平成2年頃に和田アキ子さんの出演する番組からこの銀天街に贈られた像らしい。当時は商店街のシンボルとして飾られていたのだが、心無い者によるいたずらで損傷を受け、その後は倉庫に眠っていたのだとか。

いたずらを受けた当時の写真。やばいってほんと。

「それを地元の高校生たちが修復してくれたのです」

壊れた像を地元の高校生たちが当時の記憶を思い出しながら復元し、もう一度この商店街の表通りへと戻したのが平成16年。それからは親川さんらNPOスタッフが朝アキ子さんを表に出し、夜になると奥へしまうという管理を続けているのだという。

確かに当時の写真から比べると大幅に修復されたことがわかる。

ごーん。

「壊された左手の元の形は誰も覚えていなかったので、みんなで話し合って決めました」

初めは「銭よこせや」という意味合いの手にしようと思っていたのだが、あまりにあまりだということで現在のポーズになったのだとか。それから当時銀色だった像はいたずらされたので、今度は金にしたのだという。確かにそれからいたずらされなくはなった。

必ず行ってください

本当に商店街に和田アキ子さんの像があった。彼女本人はどう思っているのかわからないが、この像をきっかけに商店街に活気が戻ってくれたら、と願う地元高校生たちの気持ちは本物だ。いやもしかしたらきつい冗談なのかな。違うよな。

とにかくこの像を見にみなさんも銀天街へ足を運んでもらいたい。そうだ、沖縄に来たら海でも水族館でもなくアッコさんに会いに銀天街へ行くべきだ。頭なでれば魔よけにもなるしね(怖いけどね)。金色のアッコさんならば商店街を生き返らせることもできそうな気がしてきました。

じっと、通行人をにらむ。

像を管理するNPO法人「バリアフリーネットワーク会議」事務局

〒904-0011
沖縄県沖縄市照屋1-14-14(沖縄市銀天街)
電話098-929-1140


 
 
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