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土曜ワイド工場
 
ホラー風ノベル
彫刻刀は姉のおさがり


古い話で恐縮ですが、今年の年賀状は版画で出そうとしてた。

ほら、版画とかって無条件で手の温もりがどうとか言われるじゃないですか。 わたしは万年冷え性で温もりなんてちっともないんですが、 他人に良いように見られたいという思いは チョモランマ並みに高いので、 そういう狙いで作ってみたんですね。

そしたらなんか怖いのが出来ました。

(text by 小柳健次郎



ほら!ホラー年賀状

これがその年賀状です。



怨念こもりすぎ。ある意味自分の素直な気持ちが すごく出ているとも言える。出過ぎだけど。

版画の行程にいたっても、別に特殊なことをしたわけではない。


彫って彫って彫って。
刷って刷って刷って。

それでこれ。

「手作りは作った人の心がこもる」なんて言われるのをきな臭く感じてたが、今はものすごく正しいと思う。

 

なにを書いても怖くなるのか

年賀状としては失敗だが、どんな言葉でも怖くすることが出来るならそれはそれで成功と言えるのではないだろうか。面白いから。

 

 

 

 

 

怖い。この怖さは血文字のようなキャッチーな怖さじゃなくて、佐野史郎が無表情でこっちを睨んでるようなのに近いと思う。

 

無料で読める!ノンフィクションホラー風ノベル

このなんでも怖くなる現象を利用して怪奇小説を書いてみました。 それぞれ画像クリックで開きます。

実話なうえに正直すごく怖いので覚悟してください。

 

脇蟲(ショッキング注意)
ある怪奇な虫に取り憑かれた男の物語

 

 

画面蟲(ショッキング注意)
それはいまもあなたの前にいる。

  

ベクトルを変えれば第三世界にたどり着く

いやー版画って怖いですねぇ。

ここで「お前が彫るの下手だから怖くみえるんじゃないか」 とおっしゃる方もいよう。 まったくその通り。事実、上手い人の版画は別に怖くない。 この怖さは下手だから出てるだけだ。

だが、上手いから良い、下手だからダメ、なんて偏狭な 考えでは世界はなにも変わらない。 ポストイットの貼って剥がせる接着剤は 強力な接着剤を作ろうとして失敗したものなのだ。

怖い版画もそれとまったく同じで、 普通なら失敗と思い、 怖くならないように上手く彫ろうとする。

しかし勇気を持って下手の道を突き進み、 怖い版画の道を開拓することが出来れば、 そのときこそ第三の世界は開かれるとわたしは確信している。

そしてその世界で一人ぼっちなのも確信してます。

疲れました。

 
 
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