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ロマンの木曜日
 
ジェネリック食品を調査する

・ジェネリックケロッグ


色で近似性を主張するジェネリック
近くでよく見ると
砂糖のコーティングが違う

 

またしても風味で劣るジェネリック

コーンフレークといえばケロッグだが、そのジェネリックも多数存在する。今回用意したのはコープコーンフレークフロスト。
パッケージの色調をケロッグと同じ青にして、自らがそのジェネリックであると主張する典型的手法の製品だ。
トラがいるほうがオリジナル、いないほうがジェネリックである。
しかし、中身は一目瞭然に別物で、特に砂糖のコーティングの仕方が大きく違う。
オリジナルケロッグが霜降りのように砂糖がまぶしてあるのに対し、ジェネリックはフレーク全体にコーティングされている。
そのことは、コーンフレークの重要な要素である食感にも大きく影響を与えており、オリジナルの歯ごたえは軽く、ジェネリックはそれに及びもしない。
また、フレーク自体の風味も、オリジナルにはコーンの香ばしさが感じられるが、ジェネリックはそれが弱い。
味とか歯ごたえなんかどうでもよい、という人はジェネリックを選べばいい。
オリジナルとジェネリックの違いはトニーがいる、いないの差以上だ。


ケロッグコーンフロスティ:298円
コープコーンフレークフロスト:178円

ジェネリック度:★★



・ジェネリックポテチトチップス


これまたうさん臭い左のジェネリック
ジェネリック(左)の方が色が濃い

 

パンチが効かないジェネリック

わが国においてポテトチップスと言えばカルビーである。そのジェネリックとして戦いを挑むのはコープポテトチップスコンソメだ。
ここからはコメンテーターとしてデイリーポータルZ編集部の林さんと古賀さん、そして土曜ライターざんはわ大北さんに加わっていただいた。
このジェネリックも色をオリジナルと似せて擬態している。
はたして味の方はどうだろうか?
「ジェネリックは人んちのポテトチップスの味(林さん)」、「ジェネリックの方が味がすぐ消える(古賀さん)」ということで、ジェネリックの方が味が薄いという意見で一致した。
大北さんから「オリジナルはアミノ酸の味がする。」という感想が出た。オリジナルのあの独特のパンチの効いたコンソメ味は、アミノ酸の仕業なのだろうか?
食感に対して古賀さんから「ジェネリックの方が厚みがあって固い」という意見が上がった。
確かにジェネリックの方がしっかりした食感である。
しかし総合的な評価では、ジェネリックも好評で、その食感と後味のよさが支持を得た。


カルビーポテトチップスコンソメパンチ:128円
コープポテトチップコンソメ:105円

ジェネリック度:★★★★



・ジェネリッククラッカー


いい具合にニセモノ感を演出しているジェネリック
見た目は結構違う

 

ザ・クラッカー

そもそもこの手のクラッカーは何に使う、いつ食べる食べ物なのだろうか。Niftyの会議室でコメンテーターたちから出た疑問だ。
どうやらカナッペに使うものらしい。
大北さんのお父さんは日常的にカナッペを食べているとのことで、こちらの方面に詳しいようだ。
ところでカナッペってなんだ?
それにしてもこのジェネリックの商品名がすごい。
「ザ・クラッカー」だ。
テレビ東京で午後にやっているアクション映画のタイトルみたいなネーミングだ。
しかし、このネーミングにして意外や意外、なかなかやるのである。
ジェネリックを口に含んだ際、皆から一様に出た感想が「冷たい」であった。舌ざわりが冷たいのである。
それに対してナビスコプレミアムは、しっとりと暖かい口当たりで、ちょうど沖縄名物のちんすこうを口に入れた時に感じるあの暖かさだといえばおわかりいただけるだろうか。
この感じ方の違いは中に含まれている空気の量に影響されると思うのだが、真相は謎であった。
クラッカーはジェネリックもオリジナルも、どちらもおいしい。
具体的に比較すると、

オリジナル

  • 暖かい
  • 重い
  • しょっぱい
    という意見に対して、

 

ジェネリック

  • 冷たい
  • 軽い
  • シンプル

という感じだ。
総合的にはオリジナルの出す高級感に対し、ジェネリックの庶民派的味わいが対抗している、という感じだ。
両者の違いを林さんは「ジェネリックは商店街のお総菜、オリジナルはRF1のお総菜」とコメントしたが、まさに言い得て炒である。
カナッペにふさわしいのがどちらなのか、必ずしもオリジナルが優れているわけではないという結論が出た。
否、カナッペ大賞だ。


ナビスコプレミアムクラッカー:198円
コープザ・クラッカー:198円

ジェネリック度:★★★★★

ジェネリックにはジェネリックの魅力がある

合計9点のジェネリック食品を比較、調査したが、食べるに値しないジェネリックは見つからなかった。
今回調査したのはダイエーとコープのプライベートブランドに限定したが、ほかにもさまざまなジェネリック食品が巷にはあふれている。
なかには、あきらかにオリジナルを模倣した、怪しいジェネリック食品も存在するが、そういったものも含めてこそが文化だと思う。
ジェネリック食品には、オリジナルに何とか近づこう、そして追い越そうという開発者たちのロマンが感じられる。
そう、ジェネリックには愛があるのだ。


 

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