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東急メディアコミュニケーションズ


はっけんの水曜日
 
現代っ子はサンタクロースを信じているのか

いよいよ出番です

クリスマス会は佳境を迎え、いよいよクライマックスはサンタクロース、つまり僕の出番だ。おしっこがしたくなってきた。

子供の前で何かしゃべってくれ、と言われたので考えた言葉を小さくぶつぶつつぶやきながら会場へ続く階段の下で待機していると、先生がプレゼントの入った袋を持ってきてくれた。「子供たちに渡してください」と。これだよ先生、一気にサンタさんっぽくなったじゃんか。しかも仮にサンタさんを信じていない子供がいたとしても、プレゼントは欲しいだろうから信じている振りをしてくれるかもしれない。光が見えた。


ぶつぶつぶつ・・・。
「大丈夫、いけますよ」と先生。
いくぜ!

舞台裏に隠れながら出番を待つ。子供たちはみんな楽しそうだ。僕が出て行ってこの雰囲気をぶち壊してしまわないか。やっぱ忙しくても本物に来てもらうべきだったんじゃないか。ぐるぐる考えている僕に声がかかる。

「はい、サンタさんお願いします。」

うお、出番だ。「め、メリークリスマース!」、僕はいよいよサンタとして子供たちの前に立った。

 

ヒーロー降臨。

メリークリスマース!

「サンタさーん!」、「サンタさんだ!」、「サンタさんが来た!!」子供たちはきらきらした瞳で僕の姿を追った。つかみはオッケーだ。何か言わなきゃ、と考えていたコメントは子供たちの歓声に押されて結局言うことができなかった。

わーいわーい。

保育園では各年齢毎にクラス分けがされている。僕はそれぞれの学年の子供たちに順番にプレゼントを配り、そして一緒に記念撮影をした。1才から3才くらいまでのクラスでは僕は無条件に受け入れられていた。子供たちは「サンタさん!」とか「トナカイさんはどこ?」とか言いながら無邪気に僕に絡み付いてきた。しかし4才5才くらいになってくるとやはり見ているところが鋭い。「サンタさん、帽子取ってみてよ。」、「ひげがめくれてるよ。」、「本当は誰?」等、回答に窮する質問もいくつか受けた。しかしおおむね好意的に受け入れてもらえたのではと思う。最年長クラスの子供たちも、おそらく半分以上はサンタさんの存在を信じているんじゃないか、という手ごたえを感じた。

粗が目立つので後ろからは見ないでもらいたい。
とにかく大人気でした。

子供たちは変わりません

全員にプレゼントを配り、また来年来るからねと約束を取り付け、僕が会場から帰るときには子供たちがみんな名残惜しそうに手を振ったり握手を求めてきたり体に抱きついてきたりしてくれた。僕は居場所を見つけたような気持ちになった。これからの人生、サンタクロースとして生きていくのも悪くないかもしれない。あの場ではそうまで思った。子供たちのきらきらした瞳を見ていると誰でもそんな気分になる。

昔も今も、子供たちはサンタクロースを信じて待ち焦がれていた。信じてもらえるだろうか、などと疑ってしまっていた自分が恥ずかしかった。僕もがんばって子供たちが憧れるような大人にならなきゃな、と思ったのでした。

見つからないうちにさっさと帰ろう。


 

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