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はっけんの水曜日
 
「ばか」という名の商店街まつり

(text by 大塚 幸代



「下町の商店街で、月に1度、『ばか値市』という安売りセールがあるらしいぞ」
……その話は、テレビかどこかで聞いていた。確かに安いし楽しいのだろう。
しかし「ばか」!?
インパクトはものすごいけど、いいの、その名前でいいの!?
と、ずっとひっかかっていた。
毎月10日、東京江東区・砂町銀座で開催されるというそのマーケット。12月は日曜日だった。こりゃきっと商店街はバーニングしてるはず! と、先週風邪ひいてた病みあがりの身体をひきずりひきずり、行きました、行きましたとも!

 

■けっこう遠いぞ砂町銀座

……で、実はこの「砂町銀座」、長さは670m、約180店がひしめきあうという、巨大商店街なんですけども。
近い駅(亀戸、錦糸町、西大島、東陽町)から、徒歩圏内に無いんです。バスに乗るか、根性で歩くしかない。
私は当然(病み上がりだから)バス乗ろう、と思ったら、財布に1万円札のみ。がーん。ががーん。
バスは万札に対応してないので、歩くことに。




ほとんど人通りのない、横長な街を歩いていくと、こつ然と人ごみ。ああ、ここが砂町銀座!




「ばか」という言葉は、躊躇なく使われてました。ブラボー!
商店街の皆さんは、もうこの言葉に麻痺しちゃって、普通になってるんだろうなあ。

で、実際に「ばか値」かというと……だいたい、全体は2.3割の値引きのようでした。その中に目玉商品があったり、なかったり。


300円は....シーズン落ちにしても、安すぎでは....。

革じゃない靴ってケミカルシューズっていうのか?

服、300円。でも日暮里を知ってる私は「まだまだっ」と思ってしまいました。(→「価値観が揺らぐぐらい、安いとこガイドしますよ」)


お正月に向けて、もち。でも「ばか」値な、もち。

あら、今日はレタスが安いわねえ。

茶色いおかずも充実。

高級ケトルも地味に安い。

 

■外人になったような気持ちに

薬屋さんの前で、コドモが乗り物に乗っておりました。

サトちゃんをリアルに乗ってるコドモ、初めて見ましたよ。
私の実家は田舎すぎて、商店街がないんです。
テレビなんかで知識として知ってはいましたが、街に住むまで、「徒歩圏内に商店街のある感じ」がつかめませんでした。
今私が住んでるとこにも、それなりの商店街があるんですけど、「砂町銀座」くらいの規模のとこが故郷だったら、他のどこに住んでも、寂しい感じがするんだろうなあ、と想像します。
だって、


こんなに並ぶほど、美味しいおでん屋さんや、

好きな串を自分でとってきて、

立ち飲み出来るヤキトリ屋さんなんか、外国人観光客だったら、浅草よりも喜ぶような強烈アトラクションですよ。

無駄にアップで載せてみたりして。

■あこがれの、バカで小粋な商店街

で、私はこの日、あんまり気持ちが買い物モードでなくって、実は何も買わずに帰ってきてしまったんです。
しかし「まあ、それでもいいか」という気分でした。
「酉の市」をのぞいたときのような気分。ちょっと人の高揚感を分けてもらったような………。
今度は友達と行って、あの立ち飲み屋で、ウインナーを食えたらいいなあ、と思いますよ!


 

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