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東急メディアコミュニケーションズ


はっけんの水曜日
 
ゲームでおなじみの干し肉を食べたい

■じゃーん、これが僕の考えた干し肉だ

成長して帰ってきた男の貫禄。息子の成長とは常に喜びを伴う。

 

肉部分も脂肪部分も大変に美味しそうだ。

浅黒く日焼けした漁師が持つセクシャリズム。

■ついに干し肉が目の前に現れた

 肉購入から1ヶ月半の時を経て、ついに干し肉が完成した。食べたいと思い憧れたあの日から15年、作り始めて90日、大変なスローフードだ。ロハス。

 単に皿に並べただけなのに胸が高鳴る。まるで(ゲームとかの)王宮のご馳走だ。

 波打つ豚バラ肉は水分が抜かれ、すっかり干し肉となった。脂肪と浮き出た塩で全体的に白っぽい。

 ささみの横にあるのはスライスせずに干した豚バラ肉の塊だ。脂肪が実に美味そうに白い。

 ささみは脂肪がないので肉本来の色を残しつつ、ブルワーカーでトレーニングしてモテモテになったあいつみたいな色になった。なるほど、これならモテるのもうなずける。僕も惚れた。

 いつまでも眺めていたいが、そもそも食べるために作ったのだ。では食べてみよう。

まずはそのまま丸かじり。 

 

■干し肉は硬かった

 食べた。塩抜きする前はしょっぱくてどうしようもなかった肉だが、干した事によってしょっぱい上に硬くなった。大げさでなく下の写真の様な有様だ。


前歯の差し歯が超心配。

あれー?こんな味なのか。

うぉー!!ささみも硬いぜー!!

■うん、はっきり言ってマズイ

 干し肉はただただしょっぱくて硬くてまずかった。豚肉は繊維もあって噛み切れない。ささみも丸かじりしたので野性的な硬さであり、これがブロイラーで出来てるなんて信じられない硬さだった。なにか野生を感じる。

硬さを判りやすくムービーにしてみたのでご覧下さい。釘打てそうだ。



 どうだ、この硬さだ。そのまま食べるのはちょいと無理があるんじゃないか。そう考えて、ちょっと加工して食べてみる事にした。

 

しいたけと豚干し肉のスープ。

■スープでシンプルな美味しさを追求

 乾物を美味しく食べるならやはり煮るに限る。中華料理で使う金華ハムはスープを取るために作られるのだ。

やはり4000年の歴史に習ってスープを作るのが道理だろう。

ささみは削って削り節の様にした。
 

ささみの干し肉は削って食べる事にした。塩加減も悪くないので、削りさえすれば美味しく食べられるはずだ。僕はそもそも厚削りの鰹節をそのまま食べるのが好きなのだ。

 コトコト煮込みつつささみを削って最終的に干し肉ディナーが出来上がった。もう干し肉じゃない気もするけどこれも干し肉のカタチの一つだ。

 

■ほーしーにーくーでぃーなーあー

人間は見た目に騙される生き物です。料理は見た目が第一です。

 

肉が皿に並ぶと心が躍る。

■干し肉、ラストステージ

 スープを取った豚バラの元干し肉も食べてみた。油がやや強いが、これはこれで美味い。十分食べられる。今回はそのまま食べたが、醤油とみりんで甘辛く味付けしても美味しかったのではないだろうか。

 そしてささみの削り節。これが素晴らしい。これだけでワインがグイグイ進むじゃないか。最初からこいつはちょっと違うなって思ってたんだ。

ささみバンザイだ。

美しい透明な脂肪。脂身って大好きだ。
豚バラの元干し肉は脂肪が透明になっていた。明かりにかざすと光が透けて大変に美しい。まるで教会のステンドグラスじゃないか。

肉のステンドグラス、冬のオペラクラスとちょっと似ている。

これほど美しい肉を見た事があるだろうか。いや、無い。

うま味が大量にとけ込んだ極上スープ。
そして豚バラ干し肉のスープだ。これが驚いた。あまりに美味かった。塩味は丁度良く、そして白く濁ったスープに内包されたうま味の強烈さには思わず目を閉じた。

はぁ・・うまいっ・・・・・。

 そのまま食べたときは硬いししょっぱいしいまいちだった豚バラ干し肉が、スープにした途端輝きだした。この変貌ぶりはなんなんだろうか。

 仕事ではパッとしないSくんが合コンだと場を仕切って張り切るのに似ている。S君の居場所は合コンであり、豚バラ干し肉の居場所はスープの中だった。

こういうのを適材適所って言うんだろう。

素晴らしい、満足だ。

かくして、干し肉を巡る長い旅は終わった。まとめます。

 

憧れの人に会うってこういう事かなって思った

 長い間憧れていた干し肉をやっと自分で作って食べられた。その事については幸せだ。最終的に美味しいスープと肉を食べられたのも幸せだ。やはり肉はロマンでロマンは肉だと思った。

 しかし、最初に干し肉を食べたときはちょっとガッカリした。ああ、こんなもんか、と。これってずっと憧れていた芸能人に会ったら、案外普通の人だったりした感覚に似ているのかも知れない。そりゃそうだ、同じ人間だもの。

 でも、長く付き合えばその人が成功している理由だって判るだろうし、豚の干し肉から出たスープの様な深い味わいについても理解出来るのだ。知るという事は一朝一夕に出来る事ではない。

 なんだかよく判らなくなってきたが、ようは干し肉の美味しい食べ方がよく判らないのでこれからも色々試して食べていこうという事だ。なにせまだ8割がた残っている。


 

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