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ひらめきの月曜日
 
おでんのダシを訪ねて120キロ

第4調査地:熱海


いよいよ静岡県上陸

熱海駅(静岡県熱海市)
東京駅からの距離 104.6km (小田原から20.7km)

静岡新聞の広告。ああ、もうここは静岡県なんだ。

熱海では薬味? がさらに1種類増え3種類に。

さっそくだし粉で大根を食べる。これもおいしかった。

静岡県に突入。

電車は日本有数の温泉地である熱海へ。駅に降りたとたんに静岡新聞の広告があって、そうか、もうここは静岡県なんだと教えてくれた。コンビニのためだけに静岡県へ。常軌を逸しているとしかいえない行動だが、気になるんだからしかたない。


また、ここがJR東日本最後の駅。ここから先はJR東海の運営になる。SUICAが使える最後の駅だ。そういう意味でも、ここは関東と東海の文化が交じり合う町だといえる。果たしておでんはどうか?

 

また新たなアイテム発見

なんと、先ほどのみそたれに引き続き、今度はだし粉というアイテムを見つけた。熱海の人はこれをおでんにふりかけて食べるようだ。

静岡は中に入れば入るほどおでんにつけるものが増えていくけど気のせいか。

だし粉は、かつお節と青のりを組み合わせたもので、お好み焼きや焼きそばにかける青のりとかつお節を組み合わせたものだ。

ダシはやはりここもいつもより魚の深い味がする。やっぱり、湯河原からが東海の味付けだったんだ。どうやら、だしが変わるのは湯河原からです。実際の都道府県の境界とは少しずれたところにありました。搬送経路の関係でしょうか?

熱海のセブンイレブン

ダシ:「むろ節」が入ってる。
全体的な変化:特になし
付けてくれるもの:カラシ、みそたれ、だし粉

調査地:セブンイレブン真鶴駅熱海咲見町店

 

 

 

最終調査地:三島


最終目的の三島へ

三島駅(静岡県三島市)
東京駅からの距離 120.7km (小田原から46.8km)

雑誌の一部が「静岡版」になった!

だし粉の元となる「青のり」と「かつおぶし」、それにしょうゆもありました! もう何をつけてもよくなってきてますね。

三島のセブンは

熱海を越えたら10両編成だった車両が3両になった。三島は東京駅から計算すると120.7キロの位置。ずいぶん遠くまで来たもんだ。もう完全に静岡の文化圏だ。雑誌も静岡版だし。

 

三島の人はおでんにしょうゆをかけるぞ。

湯河原を境にダシが変わって、熱海でだし粉が出てきて、もうこれ以上の変化はないとなかばあきらめながら三島に到着した。しかし、熱海からさらに20キロ移動してきた僕におでんの神はほほえんでくれた。なんと、今度はだし粉が「かつおぶし」と「あおのり」に細分化され、さらに醤油も置いてあった。どうやら三島の人はおでんに

1.からし
2.みそたれ
3.あおのり
4.かつおぶし
5.しょうゆ

以上の5つのうちのどれかをかけるらしい。かなり選択肢があるぞ。地元の人はどれをつけるべきか迷わないのだろうか。

三島のセブンイレブン

ダシ:「むろ節」を使ったダシ
全体的な変化:おでん売り場が前へせり出している。
付けてくれるもの:カラシ、みそたれ、かつおぶし、あおのり、醤油

調査地:セブンイレブン三島駅西通店

 

表にしてみました。

地名 おでんだし からし みそたれ だし粉 醤油
  青のり 鰹節  
小田原(神奈川県) 関東 × × ×
真鶴(神奈川県) 関東 × × ×
湯河原(神奈川県) 東海 × ×
熱海(静岡県) 東海 ×
三島(静岡県) 東海

こうしてみると、おでんの境界線は実に多様なことになっていることが分かる。
  • おでんだしの境界線は真鶴−湯河原間にある。
  • みそたれを付けてくれるかつけないかの境界線は真鶴−湯河原間
  • だし粉を付けてくれるかどうかの境界線は湯河原−熱海間
  • 醤油をつけるのはひょっとすると三島の人だけ?
みそたれは名古屋でも見かけたことがあるので、東海地区のほぼ全域をおさえているのだろう。だし粉や醤油はどうだろう? 静岡だけかも。今度は反対側の境界線を探りたいことだが、長旅で疲れたのでそれはまた別の機会にしたいと思います。情報ご存知のかたが今いましたら教えてくれると喜びます(僕が)

おでんのダシの色の違いは、各店舗の趣向によるみたいです。

最後まで計測し終えて、東京に近いほうから順番にだしの色を見比べてみると、湯河原をのぞき、東京から遠くなるほど濃くなる性質があるようには見えませんか? 

ひょっとすると湯河原のおでんはまだじゅうぶんに煮立っていなかっただけなのかもしれない。そう思うとかなり興味深い結果だ。

さらに、おでんはダシという要素だけではなく、何をつけて食べるか、というところが大事なのだと思った。

静岡の人はおでんにいろんなものがかけられてうらやましい、と思った。みそたれやだし粉は首都圏でも並べれば人気が出る気がします。

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最終ポイントの三島の調査を終えるととんぼ帰りで東京に戻ってきました。なんだか後ろ髪をひかれる気もしましたが、お土産代わりにおでんのダシを持ってかえってこれてよかったです。

でも、おでんのダシは日持ちしないので味の違いをみんなに試させられないのが悔しいです。

最初のうちはぜいたくなんだかどうだかよく分からない、という話を書いたが、おでんのダシのためだけに一日をつぶせるなんてぜいたくだと調査を終えたときに思いました。ありがとうございました!


 

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