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はっけんの水曜日
 
台湾のお店の名前が親日過ぎ
日本式ネイルサロン。渋谷と書きたかったのかも。


台湾は世界一親日的な国だと言われています。
特に親日的な人たちを指す、哈日(ハーリー)族なんて言葉も存在するくらいです。

日本人だと解った時の、人々の親切な対応。
食堂に行けば、日本の漫画が置いてある。
街を歩けば、普通に日本の歌が聞こえてくる。
そして、なにより親日感情を伺い知ることができたのが、お店の名前でした。

今回は、そんな台湾の哈日的なお店を紹介します。

(text by 上杉 天馬



日本の地名が店の名前に

台湾には、「板橋」や「三重」といった、日本でもなじみの深い地名があります。
どう発音するのかまでは解りませんが、日本も台湾も同じ文字・漢字を使っている以上はそういうこともあるでしょう。(但し、台湾は旧字を使用)

が、ここで紹介したいのは、そういった偶然的に一致してしまった地名ではなく、なぜかお店の名前になっている日本の地名達です。
洋服屋さんに美容院に、いろいろなお店に、日本の地名が使われているんです。

 

●パターン1 メジャーな地名

海外でもある程度通じるような日本の地名がついた物件達。


日本でも大阪屋というお店はありますが、それの台湾支店じゃないと思われます
日本の大都市新宿が美容院の名前に

大阪・新宿という地名なら、海外の人でも知っているような気がします、僕らがアメリカの州や都市の名前を知っているように。
日本なら、「ニューヨーク」や「テキサス」といったような名前のお店でしょうか・・・
(実際にあるかどうかは別にして、)それなら何となくピンときます。

 

●パターン2 オシャレな地名

日本でオシャレな人たちが集まる街の名前がついた物件達。


日本のオシャレスポットの名前を取って、HARAJUKU(原宿)
美容院にも原宿の名前が
同じくオシャレな街、代官山の名前がついたお店

原宿・代官山はオシャレな人たちが集まる街です。
台湾のお店がこういった街の名前をお店につけるのは、「ここは日本の原宿(もしくは代官山)と同じくらいオシャレなお店なんだぜ!」ってことをアピールするためでしょうか。
もしかして、原宿や代官山は台湾の若者達にとって、密かに憧れの町だったりするのかもしれません。

日本なら、「ミラノ」や「パリ」といった店名にする感覚でしょうか。
台湾のこれらの事例だけ見ると、日本のファッションセンスは世界レベルでは?という錯覚を起しそうです。

 

●パターン3 電化製品のお店の名前は秋葉原

電化製品なら何でもそろう秋葉原の名前がついた物件。


看板がビデオ安売王っぽい

洋服屋さんや美容院などオシャレである必要があるお店には、日本のオシャレな町の名前が・・・
同じように、電気屋さんなど、秋葉系であることがベターなお店には、秋葉系の町の名前、というか「秋葉原」の名前がつきます。
今、台湾では秋葉系の波が来ているようです。
その 証拠に、台湾版の秋葉原Walkerが売っていました。

台湾には台湾角川という会社があり、台北ウォーカーや台中ウォーカーというように、台湾のそれぞれの都市版ウォーカーはあります。
しかし、東京ウォーカーや横浜ウォーカーの台湾語(北京語)版というのは見かけませんでした。
単純に考えると、台湾では、日本の他のどの都市よりも、秋葉原のことが知りたいってことですよね。
台湾のこの事例だけをみると、秋葉原の町全体を世界文化遺産に登録した方がいいのでは・・・?と錯覚を起しそうです。

ちなみに、台湾では、オタク→御宅族、キター→来了、メイドカフェ→女僕珈琲店と表記されていました。
萌えはそのまま「萌」でした。

 

●パターン4 地名のチョイスが少し変

なんでその地名を選んだんだろう?という物件達。


なぜか(という失礼かもしれないけど)代々木駅という名前の服屋さん
なぜかスキー場の名前が美容院の店名に

代々木・・・、代々木。
代々木が悪いわけじゃないんですけど、今までに挙げた例と比べると、違和感を感じてしまいます。
同じ山手線だったら、他にも池袋・渋谷・恵比寿とかあったとは思うのですが・・・
学習塾の名前だったら良かったのですが。

上越国際も謎なんです。
ゲレンデと美容院の共通点といえば・・・
えーっと 、どっちも人がいっぱい居るってことくらいです、多分。
上と越と国際という字が持つイメージのカッコ良さからなのでしょうか。
上質を越えて国際的、な髪型作ります、って看板なのかも。

 

地名だけじゃない。いろいろと日本びいき

もう地名とか関係なしに、親日感情が溢れている物件もあります。

 

●パターン5 ストレートに親日的過ぎ

親日感情がストレートに表されています。


ラブラブジャパン。ストレート過ぎます
日本に憧れるあまりに。

ラブラブジャパンです。
LOVE一つじゃ足りないくらい愛しているってことです、日本を。
日本人として、この店の前を通ったとき、少し照れました。
ことによると、サインとか求められるんじゃないんだろうかと、そんなことまで考えました。
熱愛ぶりでこれを越える名前といったら、昔キンキ・キッズがやっていた歌番組、「LOVELOVE愛してる」くらいです。

IN JAPANという名前もよく考えると凄いです。
「まるで日本に居るような空間、日本の美容室のような仕上がり、それがこの美容室です」ということをアピールしたいのではないでしょうか。
台湾のこれらの事例を見ると、日本人に生れたことを誇らしく思えます。

 

●パターン6 日本の人気アーティストが店名に

日本のアーティスト名が店名に使われている物件。


浜崎歩髪型(Ayumi Hair Design)

台湾の町では、普通にJ-POPが流れています。
日本のアーティストの中で特に人気なのが、浜崎あゆみのようです。(台湾ではあゆみを漢字で表記)

きっと台湾には浜崎あゆみに憧れている女性が多く居て、そういった方々に浜崎あゆみのようなオシャレな髪型をプレゼントしたい、というコンセプトのお店なのでしょう。

ただ 、看板の女性は別のタレントさんです。
それが少し謎です。


こっちの看板も違う人、稲盛いずみさんです。

 

●パターン7 日本の大手企業の社名が・・・

台湾の町を歩いてたら、日本でよくみるあの文字が・・・


あれ?DoCoMoがある。台湾の代理店かな・・・?と思ったら

DoCoMoじゃなくて、CoCoMoです!!

看板に注目してみると・・・

これ、DoCoMoの昔のパンフレットに載っていたような・・・、そして携帯にズームアップしてみると・・・

ちゃんとシュッてなって、クルッてなって、最後跳ねてます。しかもNTTではなく、TMTです。TMTCoCoMoです!

一瞬、本当にDoCoMoがあるんだと思っちゃいました。
DoCoMoの海外ローミングのサービス店なんだなと。

この店名も親日が過ぎるあまりだと思いたいです。
日本で携帯と言えば、DoCoMoだ→でも(地名と違って)企業名をそのまま使うのはさすがにヤバイ→なら一文字変えてCoCoMoで行こう、という感じの名付け方。
親日的ってことで言えば、替える文字に「C」を選んだのは、音が似てるってことだけじゃなくて、CoCoMoの右に出るものは、DoCoMoである(アルファベット順でDはCの右だから)、というヨイショの意味合いも入れていて欲しいです。

店内のCoCoMoロゴも、日本のDoCoMoロゴに似ているという点で大変なことになっていたので、写真を撮らせてもらおうかと思ったのですが、許可をいただけませんでした。
日本人観光客であること、DoCoMoは日本の携帯であること、だからCoCoMoは面白い、ということを伝えて交渉したのですが、ダメでした。
訴えられる!と思ったのかもしれません。

これはCoCoMoでしたが、ちゃんとDoCoMoもありました。


DoCoMo台湾で異業種に参入

洋服屋さんの名前がDoCoMoでした。

他にも、「有楽町」という名の洋服屋さんがあったり、「熱海」という名の温泉宿があったりします。
「東京」「Tokyo」なんて文字はいたる所で目にすることができました。
じっくり探せば、山手線の駅名くらいは全部あるかもしれません。

悪いな、と思うのは、台湾はこんなにも日本を慕ってくれているのに、僕は台湾に行くまで台北(台湾の首都)という名前すら知りませんでした。
こんなにも思っていてくれていたなんて、今まで気が付かなくてゴメンよ、台湾。

汽車(バイク)のお店が八百屋。日本にある「八百屋」を日本全国で展開しているお店の名前と勘違いしたのかもしれません。

 

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