工事用や化学薬品を輸送するトラックについている「危」や「毒」という標識。自分が運転する車の前にそのマークがついた車両が止まってると、思わず普通より車間距離をとってしまう。たった一文字のマークで近寄りがたい雰囲気を醸し出す公的な標識はなかなかない。
それもトラックだから威圧感があるのだろう。ではもっと小さい物やカワイイ物に付けてみてはどうか。
(大坪ケムタ)
標識ひとつで日常の危機感、煽ります
実際はバンパー部分なんかに取り付けられてるあの標識、強い雨風にも耐えれる鉄板製なのがフツー。でも今回はプラ板にコピー紙貼り付けるだけで作ってしまいました。実際に車に貼ったら一雨でオジャンです。
実際の30センチ近くの標識作っても持ってけないからね、と妥協して、このサイズともう一回り大きいのを作って街に出た。
「危」「毒」「高圧ガス」、この標識をそっと日常的な光景に添えるだけでどういうインパクトを与えるか、さっそくご覧ください。
標識は実際にあるヤツを元に制作したんですが、妙に丸っこい文字なのが逆に触れたくない雰囲気を醸し出してる。丸っこい、親しみやすいフォントなのに「毒」垂れ流してます、てな感じ。極道系劇画では悪徳裏金業社は最初は笑顔で現れる、みたいなもんだ。
しかし、中にはコレがあっても違和感のない場所やモノもある。下北沢にある友人が経営するパンクTシャツショップに標識を並べてみた。
最初から毒っぽさとか危険性を感じさせる店には、全く違和感がないという例ですな。樹を隠すには森の中、みという言葉を思い出させます。むしろ釘バットは標識を付けておくべきなような‥そもそもTシャツ屋に何故釘バットが売ってるのか、とかはさておき。
日常なアイテム、そしてかわいいものにも
さて、再度身近なアイテムに標識を貼っつけてみる。普段から「安全」とされてるもの、いやそういう意識すらないものほどヘンに見えるなぁ。
こういったモノに付けるのも奇妙な味があるけども、有機物に付けてみたい。ということで、さらにいろんなモンにくくりつけるべく、こういうのを作ってみました。
こういうスタイリング、さらにモデルがムサい男だとさらにキケンな雰囲気しか醸し出さないので、中和させるべくカワイイものに標識をつけてみたいと思います。モデルは友達んちの愛犬・ニコちゃんです。
抱いた感じが毛糸っぽくて超心地よいニコちゃんですが、「毒」付いてると毛から毒鱗粉でもまき散らしそうです。しかも異様に愛想がいいのが逆に怖い。キシャー!とか言って追いかけてきそう。
真っ黒な上に暴れまくるもので、カメラのAFが追いつかないよ!エサあげたりしてやっと落ち着かせて撮ったこの一枚。いやー同じ黒犬としてヨシダプロさんのモモちゃんのフォトジェニックぶりがよく分かります。
あわわ、スイマセン!毒鱗粉まかないでー!
もっといろいろ貼っつけたいけど
街中歩いてると標識足して「毒モバイル」とか「高圧ガス刺身」とかやりたかったんですが、モロに商品名とかに被せたりするのも問題ありそうだな‥ということで身近な匿名系アイテムを中心にやってみました。ヘタレでスンマセン。でも自前で作って貼ってみてもロック&DIY感覚でいいぜ、キケン系標識。