『絶壁カレー』を食べる
愛好家の間で絶壁カレーと呼ばれているカレーがあるという。
絶壁という秘境感のある場所と、カレーという家庭的な料理がどう結びつくかどうかは分からないが、あふれそうな大盛りカレーを提供するお店があると聞きつけ、渋谷区は幡ヶ谷にあるカレー屋SPICE(スパイス)にお邪魔した。
店内は若者から近所のおじさん、昼休み中の客商売の人々であふれ、わりあい繁盛している模様だった。
ただひとつ気になるのは女性客がいっさいいないことだ。これまでの大盛り料理を出すお店の取材を振り返るとことごとく女性客が少ないお店が多い。
また今日も大盛り料理と僕の食欲との静かな格闘がはじまるのかと思うと胃袋がキュルキュル鳴った。久しぶりだな、この感じ。
いろいろ迷ったがシンプルなビーフカレー大盛り(710円)とサラダC(420円)を頼むことにした。
厨房に『大盛りビーフ一丁』という声がひびくと、厨房の奥から『(大盛りを頼んで)大丈夫なのか?』という声が聞こえてきた。
なんだ、大丈夫かって?
一抹の不安を抱えながら料理を待つ。 |