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ひらめきの月曜日
 
新聞紙で寝ると暖かいのか
寝ています。思いっきり外です。

実家にいた頃、よく新聞紙を布団代わりにしていた。

…いや、早合点しないで最後まで聞いてほしい。別に布団が買えないほど貧しい家庭で育ったとか、そういう話じゃない。正しくは「新聞紙を被って寝るのが好きだった」だ。

居間でゴロンと横になって、傍らにある新聞紙に手を伸ばし全身に乗せる。そうするとあーら不思議、とても落ち着くのだ。インクの匂いも心地よく、思った以上に暖かい。なによりの利点は、その軽さだろう。

実家を出た今、あの心地よさを再び体験してみたいと思った。どうせやるなら家の中よりも外がいい。というわけで新聞紙を大量に抱え、いつもの河原へと向かった。

(text by 高瀬克子



つまり、こういうことです

まず「新聞紙を布団代わりにする」というのがどういうことか、説明が必要かもしれない。

これまで、友人たちに「新聞紙って被ると気持ちいいよねぇ」と同意を求めても、いつもキョトンという顔をされてばかりだったのだ。


本来は、顔まですっぽり被せます

ひさびさにやってみたが、気持ちの良さは相変わらずであった。ああ、紙とインクの匂いがたまらなくイイ。うっかり本気で昼寝してしまいそうだ。

実家でこうして寝ていると、よく母が気を利かせて新聞紙を取り除き、代わりの毛布などを掛けてくれたものだが、そのたびに「これがいいんだってば」と毛布を払いのけていた。なんと親不孝な娘だろうか。

新聞紙で眠る娘を見て、不憫に思わない親などいないだろう。それに、ただ新聞が読みたかっただけの可能性もある。とにかく母よ、非常に申し訳なかった。

いきなり始まる撮影苦労話

ところで上の写真だが、撮るのが非常に難しかった。三脚がない上に、高い位置からのアングルだ。誰か撮影してくれる人がいればなぁ…と思いながら、編み出した撮影方法がこれである。


この写真は携帯のカメラで撮りました

背の高い洋服掛けにカメラを乗せてヒモで固定し、セルフタイマーで撮影したのだ。

思えば、いつも撮影には苦労していた。週末のたびに友人を呼び出すのも忍びないし、こちらの取材意図を伝えるのも、どこか恥ずかしい。今回のように、なかなか意図が伝わらない企画の場合はなおさらだ。

いろんなことが面倒で、気が付けば家の中で食べ物ばかり作っているライターになってしまった。もともと好きだから一向に構わないが、いい加減自分が飽きる。

そんなところへ、デイリーポータルZ編集部から魅力的な誘いが来た。ライターが大勢参加する「合同撮影会」なるものが催されるというのだ。

「大勢いないと恥ずかしいような企画を撮影しあいましょう」という、まさに今回の企画にピッタリの行事である。

その助け合い精神に「合同撮影会というよりは、互助会だよなぁ」と思いながら、新聞紙を手に指定の場所(河原)に向かった私が目にしたのは、なんとも奇異であり、非常に頼もしい光景であった。



すでに皆さん、お集まり

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