以前、立体駐車場を鑑賞したことがある。そのソリッドなたたずまいに魅了された挙げ句に勢い余って記事にしたものだが、その鑑賞の最中にあわせて魅了されたのが、駐車場ミステリーサークルである。今回はそれを鑑賞してまわろう。
(text by 大山 顕)
なぞめいた言い方をしてしまったが、ようするにこれのこと。
別名「転車台」「ターンテーブル」と呼ばれるこれは、スペースが狭すぎて自動車が切り返しできない場所に設置されるもので、立体駐車場などでよく見ることができる。
いつものことながら、これのいったいどこらへんに魅了されたのか、と問われると大いに困るのだがとにかくぼくは恋に落ちてしまったのだ。恋に「何故」は無意味だ。落ちたことそれ自体が理由であり、結果である。
だた、それを記事にするっていうのはどうかというご意見もあろう。そう。そうなんだけどさ。分かち合いたいわけよ。あこがれの人を自慢したいわけよ。
ただ、街中にこんな大きさの丸いものが突如として現れる、という風景は充分鑑賞に値すると思う。
街というのはほとんど直線でできている。そんななかに咲いた、文字通り大輪の花。それが転車台なのだ。おおげさだ。