酒酔い疑似体験メガネのできるまで
酒酔いの疑似体験ができる特殊なゴーグルの作り方を調べていたおり(ついにわからなかった)、母のやるせない光景を思い出した。
家での母は、度数の高い典型的な老眼鏡を使っている。外出するときは度数の低いシャレこいたメガネをしているのだが、レストランのメニューや商品の値札を見るときにはバッグの中から老眼鏡を取りだす。メガネの上にまたメガネ、二重にしてかけるのだ。
最近ではさらに老眼は悪化、その上にもう一つ重ねて"三重がけ"をする。よく見えるのだそうだ。そして、うっかりトリプル面のまま、買物を続けているありさまだ。
かっこつけたためにさらにブザマになる仕組み。それでも母は、シャレメガネをやめない。
一度母のメガネを借りてやってみたことがあるが、目の前がふらついて、脳がグラリとした。
あれだ。
ゴーグルを作ることはできなくても、メガネを何重にもかければ疑似体験ができるのではないか。しかもカンタンだ。
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