こどもの頃、UFOを呼んでみたことがあります。家の前で花火をしていて、こどもだからだんだん飽きてきて、夜空にUFOを探し始めました。目をつむり真剣に「来てください。」と呼びかけたのですが、残念ながらUFOは来ませんでした。家に戻ってから、家族に「UFO見た。」と嘘をつきました。
そんな私も社会人になり、ある程度の社会性も身につきました。今やればUFOも来てくれるかもしれません。ということで呼んでみました。
(text by ざんはわ)
呼べば来るというものではない
とりあえず、UFOを呼んでみた。あまり深く考えず、昔テレビで見た方法でやった。もちろんUFOはこなかった。
あたりまえだ。「お迎えする」という気持ちがまったく足りなかったからだ。はるばる宇宙から顔見知りでもない方に来ていただくのだから、こちら側でもそれなりのおもてなしを準備せねば。それには「先方の好みを理解しておく」ことが大事だと考え、UFOが好きなものを色んな人に聞いてみた。
アンケート結果
アメリカ大統領・・・・・・・1人
CIA・・・・・・・・・・・1人
人体への金属片埋め込み・・・1人
金星・・・・・・・・・・・・1人
金髪美女・・・・・・・・・・1人
牛・・・・・・・・・・・・・1人
投稿ビデオ・・・・・・・・・1人
逆催眠・・・・・・・・・・・1人
国道沿い・・・・・・・・・・1人
夜・・・・・・・・・・・・・1人
解剖・・・・・・・・・・・・1人
票が割れた
見事に票が割れた。アメリカ大統領、金星、金髪美女、牛…。
ん、牛?そういえば、アメリカの牧場で牛にいたずらをするUFOの話を、こどもの頃にテレビで見たおぼえがある。キャトルミューティレーションというらしい。横文字の名前がもっともらしいので、私もUFOが好きなものは「牛」だと思う。「牛」に一票追加する。
山が動いた。
牛・・・・・・・・・・・・・2人
牛か
以上のデータにより、UFOが好きなものは「牛」であることが判明した。ID野球にならい、ここはデータ重視でいきたいと思う。
しかしいくらおもてなしのためとはいえ、牛を実際に用意するのは大変だ。今回は、なすに棒を差し込んで牛に見立てることにした。かつて古墳には兵士の代わりに埴輪が埋められたというが、時には本物を用意するより、代用品のほうがむしろ格調高く見えることもあるのだ。
流行発信中
こんなに真剣にお願いしたのは何年ぶりだろうか。願うというより、祈るような思いだ。両手を合わせて静かに祈っていると、虫除けに炊いていた蚊取り線香の匂いも本当のお線香のように思えてきて、とてもおごそかな気持ちになった。
懐かしいあの人が帰ってくるような気分。これは流行るんじゃないかと思わせる何かがあった。年に一度、みんなでおなすに棒をさし、小さな火を炊いて、懐かしいあの人にお祈りをささげる日を作るのはどうだろうか。時期は8月、お盆の時期でいかがだろう。