プリントアウトのシミュレーションで逆さま顔化に目処がついた。次は逆さま顔を実体化するステップだ。
自分を逆さま顔にするために準備したのは、フェイスペイント用の絵の具だ。サッカーのサポーターのみなさんは、これで顔にチームのマークを描いたりするのだろう。
サッカーのことを考えると暗い気持ちになるので、自分の顔を逆さま化することに集中して筆を走らせる。
シミュレーション通りに線と点を描いてみた。やはり不自然さは否めないが、「おでこに大きなほくろと深いしわのある人」と受け止めてほしい。
なんだか疲れと眠さを感じる顔だが、逆さま顔にするためにはこの表情のままではいけない。
どうだろう、右の写真で逆さま顔がご覧いただけるだろうか。今ひとつ不安だが、どうか寛容な気持ちで見てくださると大変ありがたいです。
このままでもまあ見えるかとも思うのだが、念のため画像処理ソフトで顔部分のみを反転させてみたものも見てみよう。
最初はもともとの顔が反対になっているように見えてしまいがちだろうが、一度「ヒゲのおっさんがいるモード」に入ると、しっかり見えてくると思う。コツは鼻から上を無視することだ。
仮にここでは、逆さま顔成立ということにしておこう。ただそれは、あくまで読者の方と私という、「逆さま顔をやってみようとしている」という情報を得ている者が見て、ということ。
そうとは知らない人がこの顔を見て、逆さま顔だと気づいてほしい。
そういうわけで、何も知らない人にこの顔を見せるべく、妻の実家に車を走らせる。この程度のペインティングなら、検問があったとしても通れないことはないだろう。
果たしてわかってもらえるだろうか。わかってもらえたところで、婿に対する不安がまた高まったりしないだろうか。