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ロマンの木曜日
 
100mは何mだろう

神宮外苑にやってきた

100mの糸が本当に100mか確かめようと、神宮外苑にやってきた。
神宮外苑には、公園内にジョギングコースがあり、そのジョギングコースの路面に距離表示がしてあるのを思い出したのだ。
ジョギングコースの距離表示は、おそらくかなり正確だろう。
それを使って、100mの糸を測ってみようという思惑だ。


雨の神宮外苑、誰もいない

この表示はきっと正確だろう

 

雨の外苑をさまよう

神宮外苑に到着するとすぐに距離表示のプレートを見つけた。
しかし、そのプレートは1325mという中途半端な数字だったため、計測しやすい数字のプレートを探して歩いた。


プレートを探して歩く

ヤクルトの選手が練習をしていた。テレビで見たことのある選手だった

 

200mごとだった

雨の中をとぼとぼ歩いていると、 900mというプレートを見つけた。
どうして1000mとか1100mとかが無いのか疑問だったので、もう少し歩いて次のプレートを探したところ、次のプレートは700mというものだった。
200m離れているが、中間地点で100mの糸をいったん巻きなおして計測すればよいだろう。

では、100mの糸の正確さを測ってみよう。


あった。900m

100mははたして何mだろうか

 

計測開始

ジョギングコース上には糸を固定するものがないので、コース脇の生け垣に糸の端を結びつける。
木の枝に糸を結ぶ時に、なんとなくお願い事がしたくなった。御利益はあるのだろうか。


コース沿いの生け垣に糸を結ぶ

からからと糸をのばしてゆく
10mの結び目

 

いやなことに気付いた

雨にびしょ濡れになりながら、からからころころと糸を引き出してゆく。
どんどんと糸が伸びてゆくのは楽しい。
定規で100mを測った時は大変だったが、こうやって100m測るのは楽しいなあ。

あ!

ひょっとして、最初からここで100mの糸を測ればよかったんではないだろうか。

ここに来てやっと気付いた。


最初から、ここで…

 

わけがわからなくなってきた

日常の生活でも、手段が目的になってしまったり、その逆に目的が手段になってしまったりすることがあるが、今ボクがやっているのはいったいどっちだろう。
考えれば考えるほど、何が何だかわからなくなってくる。
まるで糸が絡まるように。


ちょうど100m地点

いちど巻き戻して、そこからまた測る

 

あと100m

あまり考えると今の状況が理解できなくなりそうなので、何も考えずあと100mを測る。
黙々と作業をしよう。


100m地点から再出発

ひたすら糸を引き出す

 

ゴールが見えた

巻いてある糸の残りが少なくなってきたころ、目標地点である700mのプレートが見えてきた。
プレートのところでちょうどぴったり糸がなくなれば、糸の長さが正確だということになる。

若干の緊張を伴いながら糸を伸ばしてゆくと、プレートの少し手前で糸が途切れた。
プレートまでとの距離はおよそ2m弱だろうか。
誤差は2%程度だったということになる。
なかなかいい線ではないだろうか。

手作業で100m測った糸が、誤差2%だったという結論が出た。
この事実だけで、充分満足だ。
それ以上何が必要だろう。


プレートの少し手前で糸が途切れた

3m弱の誤差だった

もう充分です

当初の企画案は、距離案内看板の正確さを調べようというものだったが、そんなことはもうどうでもよくなった。

その理由は、

  • 100mの糸を作っただけで大変だった
  • でも、わりと正確だった
  • しかし、もっと楽に100mの糸は作れた
  • いやいや、ジョギングコースの距離表示が正確だという根拠が「そんな気がする」というだけだ
  • そんなあいまいな糸でこれ以上距離を測ってもしかたがない
  • 気付かないふりをしていたが、距離案内の正確さを調べるのに、距離案内を頼りに測った糸を使用するというのには大きな矛盾がある
  • そもそも、距離案内看板の正確さが本当に知りたいのか?
  • だいたいあっていれば問題ないんじゃないの?
  • 雨が降っていて寒いし、これ以上作業するのは面倒だ
  • もう記事が埋まるくらいの写真は撮影した
  • 帰ってビールが飲みたい

などだ。

いいわけするのではないが、そもそも看板に書かれている距離は、ただ単に物理量をメートル法に従って表記している、いわば概念に過ぎない。
実際の距離は、案内看板にどう書こうと変わらないのだ。
看板からの距離を正確に測ろうが測るまいが、案内看板も案内される施設もただそこに存在する、それだけなのである。
であるならば、それはそのままそっとしておいてあげるのが一番だろう。
ボクはそう思うのだ。

おわり。


 

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