差しさわりのない話題からインタビューを始めた。皆さんも試してみたらいいですが、いきなり人に「宝くじ当たった?」なんて聞くのはかなり難しいです、しかられそうで。それにしてもインタビューしていてもTさんの穏やかさ、というか懐の深さみたいなものがじわじわと伝わってくる。僕より若いのに、比べ物にならないくらい落ち着いているのだ。
忘れないうちに核心にせまらなければ。
つかぬことを聞きますが
「ええ。」
聞くぞ
Tさんって宝くじとか、当たったこと、ある?
聞いた
「え、宝くじっすか。いまのところないですね。でもなんで?」
いや、その、Tさん、いつも余裕じゃないっすか、だからその、要するに当たったんじゃないかな、なんて、はは、ちょっと思ってみたりして。ごめんなさいごめんなさい、やっぱりないですよね。でももし当たったらどうしたいですか?
「あはは、いや当たってないですよ。もし当たったら畑を作りたいですね。うまい野菜を作りたいので。」
当たっていなかった。
Tさんは言っていた、実際お店やっていると大変なことなんてたくさんあると思うんですよ、だけどスタッフがそれを表に出したらいけないですよね、それを楽しむくらいの余裕がなくちゃ、と。Tさんのお店は、工事や内装の大部分を知人関係に協力してもらったのだとか。広い人脈を活かして開店資金を節約したのだ。Tさんは人とのつながりをとても大切にしていた。
この後も取材を忘れてお店の経営についていろいろ教えてもらってしまった。個人的にとてもためになりました。ありがとうございました。僕もがんばります。 |