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東急メディアコミュニケーションズ


ひらめきの月曜日
 
日常生活を法廷風スケッチで

■モデル登場

今回モデルになってくれと頼んだ相手は、弟。

最初は知人にモデルを頼もうと思ったのだが、

「被告人風に描くから、写真撮らせて!
 しかもそれをインターネットで公開させて!」

などというお願いを他人にするのは、非常に心苦しく、頼めなかった。
そのてん身内なら、冗談で済む。
しかも本人も「あー、どうぞ」と、特に何とも思っていないようなので、先日帰省した際に撮影させてもらった。


弟はバーのマスターをしているので、お店にお邪魔して、開店準備をしているところを適当に撮影しておく。

グラスを洗っている姿がちょうど良さそうだったので、1枚の写真をセレクトして作業開始。


自分の写真で試したときと同じように、画像を見ながら線を描いていく。

前回を参考に、顔は眉毛を薄めに、下げ気味に描くと、とたんに悲しそうな顔になる。
両腕を途中で描まで描いたところでやめておくと、ちょうどションボリした人のようになった。

そこで手前に線を引いて、机か証言台のようなものを描き足す。


ああコイツ反省してる反省してる。

開店直後、客がいないのでグラスを洗っているマスター。
画像を見ながら線を描く。
このへんまで描いたところで…。
人物の手前に、ありもしない台を描き足す。
エプロンもズボンに描き変えてしまおう。
色を塗っていく。まだ塗れている時に、影をつけたいところにチョンチョンと色を置くといい感じでにじむ。
表情はいかにも沈痛なおももちだが、いまいち普通の人物画から抜け切れない。何が原因なのか考える。 シャツの部分に、上から黒い色を塗ってみると、暗い感じに。明るい色はそのまま使わない方がいいようだ。

 

検察官に起訴状を読み上げられ、
うなだれる被告。

 

だんだん手馴れてきた気がする。
見本がない部分(この絵で言うと手前の机)が下手なのが気になるが。

この調子で他のモデルもいってみよう!

 

 

■2人目のモデル登場

やはり他人には頼めないということで、出勤前にぼんやりとテレビを見ていた、もう1人の弟にモデルを頼んでみた。

こっちの弟は、帰省したらなぜか丸坊主なっていた。
もう最初から“反省している感”があふれている。

しかもこの時、くたびれた仕事着を着ていたので、ますますそれっぽい感じになっている。
姉としては、弟が
「法廷にいる人っぽい。しかも裁かれる方」
という事実に、
「やったーネタにちょうどいい」
と喜んでいいのか悪いのか、非常に複雑な心境であった。

またこの弟も、事情もロクに聞かず、写真撮影とその後の掲載について「いいよー」と快諾したので、
「もっと人を疑えよ!」
「ちっとは考えろよ!」
と、2人の弟の、考え無しぶりが大変気になった。


それはともかく、ソファに座ってテレビを見ている弟の写真を見ながら、線を描いていく。
背後に線を引き、ベンチのようなものに座っている感じにする。

そして色塗り。
今度は最初から、服の色は実際の色よりずっと暗い色で塗ってみる。
うん、だんだん早くなってきたぞ。

テレビを見ていたが、まばたきをして目を閉じてしまった瞬間。
目を閉じているのが、いかにも法廷風か。

検察官の冒頭陳述に
目を閉じて聞き入る被告人

 

幸か不幸か、もとのモデルが良いだけあって、普通に描いただけでそれっぽくなった。

ちなみに右側にチラリと見えている人影が何かと言うと…。

 

……だれ? 実は私。「被告人を傍聴席から見つめる姉」をやりたかったのだが、見事に失敗。余計なものは描くなということか。

 

 

■絶対役に立たない!誰にでもできる法廷画

せっかくなので、今回得た知識をもとに、「絵を描くのは苦手だ…」という人でも、ある程度なら描けるであろう方法をまとめてみた。


(1)写真を印刷する

自力で絵を描くのは大変なので、写真から写す方法で描いていきます。
適当な写真を選び、印刷します。
できれば、このような画像を選んでください。
・顔が上を向いていない
・シンプルな服装
・腕が下がっている

また、「顔を描くのが面倒くさい」という人は、後ろ向きの写真を選んでおくといいでしょう。
ただし真後ろではなく、ナナメ後ろからのショットがオススメです。

(2)エンピツでこする

印刷した紙の裏を、柔らかいエンピツでこすります。

人物部分より一回り大きく、こすっておいてください。
すかして見ながらやると良いです。

(3)上から写真をなぞる

絵を描きたい紙の上に、印刷した紙を置き、硬いエンピツかボールペンで人物をなぞっていきます。
ちゃんと下の紙に写っているかどうか、確認しながらやってください。

この時、2枚の紙がズレないように注意しましょう。

これで下書きができます。

(4)下書きをなぞる

(3)の作業でうっすらと下書きができるので、柔らかいエンピツで下書きをなぞっていきます。
実際の線より、適当(ちょっとヨレヨレ)の方が味があります。

またこの段階で、以下のことをやっておきます。
・両腕をまっすぐ下に下ろすように描き変えます。
(ヒジから下にすーっと線を引くだけでOK!両腕がまっすぐ下がっている方が、被告人っぽくなります)
・髪の毛をボサボサにします。
・顔を描く場合は、眉毛を薄くしたり、下げ気味にします。

最後に、人物の手前に2〜3本線を引き、机のようなものを描き足します。

(5)色を塗る

オススメは水彩絵の具か色鉛筆です。
ここでは水彩の方法を説明します。

まず水を多く含ませた筆でササッと塗ってください。
顔色や服の色は、絵の具をそのまま使わず、黒か茶色を混ぜて、ちょっと暗い色にしてください。

顔を描く場合、特に肌は顔色が悪い感じで。
左図では山吹色に黄土色を足しています。
また顔の影は他よりクッキリつけましょう。
目のくぼみ、ほおの下などに強く影をつけると、かなり疲れた表情になります。

(6)影をつける

(5)で簡単に色を塗ったので、その上に影をつけていきます。
水を多く含ませた筆に、(5)よりも少しだけ濃い色を置いていきます。

影は服のシワに沿って塗るか、チョンチョンと色を置いて、あとは自然ににじむのにまかせましょう。

「失敗した!」と思ったら、すぐティッシュで押すように吸い取れば、なかったことになります。

色塗りは手早くやれば5分くらいでできます。

そして完成です!

 

検察側の起訴事実に
真っ向から反論する被告

日常では使い道がない…

このように法廷風の人物画を満喫したわけだが、
「ホラ、あなたを法廷風に描いてあげたよ!」
などと言われて喜ぶ人はめったにいないと思うので、あまり他人をモデルに描くのはオススメできない。

今回の企画で、自分を含め弟2人まで被告人風にしてしまい、万が一親に見られたらどうしようと、現在ヒヤヒヤ中である。

なお今回紹介した絵の描き方は、ちゃんとした水彩テクニックではなく、なんとなく思いついた方法なので、「基本がなっとらん!」などというご意見はご勘弁願いたい。ホントすみません。

絵を描くのはすごく楽しかった。

 

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