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土曜ワイド工場
 
皇帝ペンギンがそんなに偉いのか

そして1年が過ぎた。


オスとメスが出会い、海を目指す。一年前のあの日と同じように。


営巣地は前回と同じ場所だが、念のためバスの路線図も確認しておくのも重要だ。


この辺りでいいのではないか。


今年こそやりますよ。→
あ、すごい緊張する。→
真ん中まではきれいにいった。→
右足くいっと。→
あげて一旦あげて。→
成功?成功じゃない?→
あ、向きか。向き悪いわ。→
右足、そう右足で。→
くいっと、くいっとね。→


成功!!


ついに成功

成し遂げた。われわれは成し遂げたのだ。これで卵は凍ることなく、父親の体温に守られてすくすくと成長することができる。苦労した甲斐もあり、卵がいとおしく、神々しい。去年とは違った涙がこぼれ落ちた。夫婦が協力しあって子供を育てることがこんなに美しいこととは。





卵は渡せましたが

メスはどうするのか?実はメスは2ヶ月近くもほとんど何も食べていない。これから子育てに必要なエサを求めて海へと旅立つのだ。

そしてオスはといえば、これから訪れる真冬のなか、約2ヶ月のあいだ卵を温めつづける。マイナス60℃のブリザードと明くることのない夜の世界でじっと耐え忍ぶのだ。そしてようやく卵からヒナがかえったころ、メスがお腹いっぱいにエサをつめて帰ってくる。

ちなみにヒナがかえるころにはオスの体重は半分程度になっている。ゲッソリ。

 

自然は厳しいぞ! もう帰ろ。

 

サラリーマンにもできた

皇帝ペンギンはそんなに偉いのか?結論からいえばサラリーマンにもできた。ただしぬくぬくの南極だったしバスも使った。肝心の卵の受け渡しなんて、もう告白してしまえば、手でやった!だって手があるもん!サラリーマン偉い!かわいくはないけどけっこう偉い!


 

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