楽屋話で恐縮だが、真夏の屋外取材はしんどい。ぎらぎらと照りつける太陽。そよとも吹かない風。家のなかで済ませられるネタはないものかと思案するのだが、ぼく自身そういうのが得意じゃない。
(text by 大山 顕)
■似たようなことが昼間にできないか
いぜん「夜のジャングルジム」という記事を書いた。背後の景色にじゃまされることなくジャングルジムだけを象徴的に撮影したいと思っていろいろ試した結果、深夜の公園に三脚を構え懐中電灯でジャングルジムをなめるように照らすという手法にたどり着いた、不審きわまりない撮影法の顛末だ。
思い起こせば時は5月。良い季節だ。夜は少し肌寒かった。そんな季節もあったんだよなあ。
夜だからこそ懐中電灯の光程度の光量で浮かび上がったのだが、もっと強力な光があったら似たようなことが昼間でもできるんじゃないだろうか。
強力な光。それは太陽だ。夏の太陽。これこそやぶれかぶれにふさわしい。暑くてたまらないがやってやろうじゃないか。
■ただし前回とはちょっとちがう
今回は懐中電灯ではなく鏡を使って強力な太陽光を反射させます。そして、対象物を照らすのではなくカメラを直接照らす。どういうことか。まあ、見ててよ。
上のようななんの面白味もない公園のブランコを対象に選定。そして前回と同じように三脚にカメラを固定。
■まわりを暗くする
このままでは上のアニメの1コマのような写真が撮れるだけだ。そこで擬似的に「夜」を作り出す必要がある。
この状態でシャッターを開けっ放しにしてさっきのようにすこしづつ移動しながら手鏡でカメラを照らした。
どんなものが撮れたかは次ページで。