花火の色について

カラフルな花火。その色のしくみは炎色反応というもの。
それは金属などを燃やすと、固有の色が出るという現象だ。

こうなったらいろいろな金属で試してみたくなるではないか。なるでしょう？

しかし必要なのは燃える金属だ。スチールウールのような状態になっている金属を用意するのは難しい。

そこで用意したのは

• サプリメント
• 粉状にした金属
• 目薬
• ミネラル麦茶

えー、決して冗談ではないです。
目薬には炎色反応が出るホウ素が含まれているし、ミネラルには金属が多く含まれているのです。

それでは、それぞれどのような色になるのか確かめてみよう。

カルシウムのサプリメント

サプリの粒を粉にして、スチールウールに振りかけ、酸素の中で燃やしてみた。

が、しかし。
鉄の色だかカルシウムの色だかわからない上に一瞬で終わってしまう。カルシウムが燃えたという実感がない。

というわけで、竹串にコットンを巻き、そこに粉をまぶして火を付け、酸素に入れてみた。

炎がしっかりカルシウムの炎色反応の色、橙赤色になっている。
何もつけていないコットンの色と比較するとその違いは歴然だ。

しかし冷静になって思えば、コットンなんて燃えやすい物は酸素に入れなくてもよかったのだった。

これ以降、スチールウールでは難しいので、コットンでやっていこう。
酸素？　あるんだから景気よく燃やそうじゃないか。

粉状にした金属

ここは銅でいこうと思う。
というか、それくらいしか希望のあるものが手に入らなかったのだ。しかも板状だ。
年期の入った金属製おろし金で、丸めた薄い銅板をすり下ろす。

集まった銅の粉をコットンに乗せ、火を付けて酸素の中に入れると

強烈な光を発し、一瞬で燃え尽きてしまった。
おそらく細かい粉状になり、酸素に触れる面積が増え、また、コットンという燃えやすいものと一緒だったのでそうなったのだろう。

……ハテ、銅は燃えると青緑色になるハズだが……。
あの粉は、おろし金の鉄、か。どうりで年期の入ったおろし金が綺麗になったわけだ。

目薬はどんな色？

ホウ素が多く入っていそうな目薬でコットンを浸し、燃やすためにドライヤーで乾かす、という作業を３回やって飽きた。

どうせなら小鍋に目薬を入れ、煮つめて濃くしたところにコットンを入れ、乾かして燃やせばいいのだ。
どれだけホウ素が入っているのかわからないので、極力多くの成分を集めたかったのだ。

さて、目薬の濃い〜のが詰まったコットン、燃やしますよ。

コットンが乾ききらなかったためか、派手に燃えることはなく、しかし下からのライターの炎の色を見事にホウ素の炎色反応の色、黄緑色に変えてくれた。
正直こんなにうまくいくとは思わず、緑の炎を見た時はアルキメデスのように走り出しそうだった。うおー！

ミネラルの代表、麦茶

こちらも上の目薬のように煮つめて、濃いのをスチールウールに浸し、ドライヤーで乾かした後燃やすことにした。

しかし目薬と違い、あの麦茶だ。本当にミネラル入ってるんか、どれくらい入ってんだ、香ばしくて茶色いだけじゃないのかオマエ、という、夏の水のような麦茶だ。
限界、というくらい煮つめる必要がありそうだ。

濃い。これは何だ。溶かしたチョコか、イカ墨を混ぜた水飴か。麦茶にはありえないトロみだ。

コットンにしみ込ませてドライヤーで乾かすが、コールタールを乾かそうったって無理、という勢いで乾かない。ぬれ煎のような、半乾き状態で諦めた。

そして串に刺し、ライターを近づけるも、炭化していくだけでなかなか炎が上がらない。
なぜチャッカマンがないんだ、親指が熱い、と思いながら辛抱強く熱し続けたら

燃えた！
しかもコットンの色ではない、赤紫だ。

麦茶のミネラルを調べると、主なものにカリウム、カルシウムがある。
カリウムの炎色反応の色は赤紫なので、おそらくカリウムを多く含む麦茶だったのだろう。カルシウムも赤だ。
目薬に次いで、こちらもこんなにうまくいくとは思わず、炎を見た時は歌い出しそうだった。

♪じょうね〜つの真っ赤なむ〜ぎちゃ〜

しまらないなあ。