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土曜ワイド工場
 
アナジャコは筆以外で捕まえられるか
干潟大好き。


干潟好きの間では割とメジャーな遊びに「アナジャコ釣り」というのがあります。干潮時に干潟の泥を少し掘って、アナジャコが住む穴が出てきたら習字用の筆を突っ込んで、不法侵入者を撃退にやってきたアナジャコを捕まえるという、チンパンジーが蟻塚に小枝を差し込んでアリを捕まえるのと同じレベルの行動です。

全然「釣り」じゃないです。どちらかというと「釣り上げる」というより「吊り上げる」感じです。

大森駅付近のとある会議室で、初対面の女性に「アナジャコを筆で釣る楽しさ」について得意げに熱く語った際、「なんで筆なんですか?」という素朴な疑問に答えられなかったので、答えを探しにいってきました。干潟へ。

(text by 玉置 豊



なんで筆なんでしょうね

風呂は4126、豆はでん六、司会は巨泉という感じで、すでに私の中では当たり前の組み合わせになっている「アナジャコは筆」。いわれて気が付いたんだけれど、なぜアナジャコ釣りは筆なんですかね。

「だって○○くんが筆がいいっていったから」「みんなが筆でやっているんだもん」というナイキのスニーカーを親にねだる一昔前の中学生レベルの言い訳しか思いつかない自分が憎い。

「昔、干潟で白鷺の絵を描いていた弘法大師が、一休みしようと置いた筆にアナジャコが掴みかかってきたそうな。これを弘法も筆のアナジャコという。」みたいな古事でもあるのだろうか。いやない(自己否定)。


穴に筆を挿してアナジャコを捕まえるのですよ。普通は。
「普通は」っていわれても理解しにくいかと思いますが。

そんな訳で、新しいアナジャコ釣りの可能性を求め、錦糸町のアルカキットへと向かった。


アルカキットに、あるさきっと。って何人がつぶやいたのだろう。

予算とかお金とか懐具合の関係で、主に100円ショップで「筆ではない何か」を探し歩くが、アナジャコの穴に入りそうなものって思ったより選択肢が少ないのね。「軸の細さ」「程よい重さ」「アナジャコとの相性」などの観点から、総合的な判断で「造花」をたくさん買ってみた。

しかし造花なんて買ったのは人生で初めてだな。まさかアナジャコを捕るために買うとは思わなかった。


花を持ち歩くのってちょっと恥ずかしいね。デートというより墓参りっぽいかな。

 

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