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ちしきの金曜日
 
ディープな沖縄観光、コザの夜
コザのメインストリート


沖縄観光の定番と言えば、昼は海、夜は国際通りといったところじゃないでしょうか。
今回訪れたコザは、そういった一般的な観光スポットとはいえない場所。
ゲストハウスで知り合った沖縄フリークの方に、「とにかく面白いから、行ってみな」と勧められ、それまでノーマークだったコザに行く気になりました。
週末の夜のコザの姿をみてきました。

(text by 上杉 天馬



コザの夜

コザ、コザ言っていますが、コザという地名は、実はもう存在しません。
市町村合併によって、コザという地名は消え、沖縄市になったはずなのであるが、"沖縄市"ではどうにもしっくりこないらしいのです。
確かに、町が醸し出す雰囲気は、なんとなくカタカナ表記でコザ!
沖縄市なんて味気のない地名じゃ勿体無い気がしました。


通りにはライブハウスとアメリカ人が溢れている
焼き鳥屋の屋台も多数、7本500円もしくは5ドルが相場

コザで一番にぎわっているのは、空港通り、通称ゲート2と呼ばれる道。
ゲート2は、はっきりいってもうアメリカです。
外国人(多分アメリカ人)が多い。
多いなんてもんじゃない、那覇の国際通りを歩いていても、やっぱ外国人多いな〜とか感じていたけど、ここにいるのはほぼアメリカ人、多分8割、店員さんとかを抜いたら9割以上。
コザの近くには嘉手納基地があって、そこの兵隊さんたちが、ゲート2に溢れているアメリカンの正体です。

もしも100人の村だったら風に、このゲート2を表すと、80人がアメリカ人、10人がお店の店員さんでまぁいいのですが、残り10人の割合が、ちょっと変です。
7人が日本人女子、2人が変なおじさん、1人が日本人男子。
たまたまなのかもしれないですが、ゲート2を何回か行ったり来たりしても、僕以外の日本人男子を見かけることはありませんでした。
それに対して、日本人女性が多かったのは、アメリカンガイズが好きな女子達なんだと勝手に解釈しておきました。


ゲート2だけがアメリカン

ゲート2にはライブハウス(クラブ)が乱立していて、週末のアメリカン達は、ビール瓶片手にライブハウスをはしごしてるような感じでした。
焼き鳥の屋台もそこかしらに出ていました。
そして、 ゲート2だけがアメリカ、それ以外はまったくの日本で、このギャップがすごいです。
国道330号が国境です。

 

ゲート2の名物おじさん?世界のジミー

変なおじさんも居ました。
外国の方は気前がいいのか、彼等に(飲みかけだけど)お酒の瓶を手渡す光景が多くみられました。
その光景を見て、ちょっと複雑な気分になります。

しかし、群を抜いて変なおじさんが居ます。


よってたかっていじめられてるわけではありません、人気者なのです

最初にそのおじさんの前を通った時は、でたらめにギターをかき鳴らしながら、「もしもし亀よ亀さんよ♪」とこの部分だけを歌っていました。
なので、ちょっとヤバイ人かなとも思いました。
で、1時間程ののちに、そのおじさんの所に戻ってきてみると、ちょっと様子が違っていました。
相変わらずギターをでたらめにかき鳴らしてるのは、変わらないのですが、歌ってる歌が、「ちんちんなみなみ〜♪」ってのに変わってました。
脈絡とかないですから、その後に何も続かないし。
でも、なぜか、みんな大爆笑。
ちんちんが、アノちんちんだとすると・・・、えっ小学生レベル?とビックリしました。

段々と興に乗ってきたのか、それともいつも通りなのか、道行く人全員に「マザー○ァッカー」と、一級品のスラングを浴びせるようになりました、男女の区別なく。
英語圏の人には冗談でも絶対言っちゃいけない言葉だと思っていたのに、なぜかそれで皆とフレンドリーです。
みんな、「ヘ〜イ、ジミー」とか、「マザー○ァッカー、ジミー」とか言って、ハイタッチや抱擁をして、ジミーの前にお金を置いていきます。
お互いにマザー○ァッカーと言い合いながら、抱擁を交わすというなんとも奇妙なシーンが見れるのは、もしかしたらこの場所だけかもしれません。
皆様が皆様お金を置いていくわけじゃないけど、「ヘ〜イ、ジミー」とか声を必ずかけていきます、ガイズもレディースも。

コレはただ者ではないと思い、ちょっと話しを聞いてみることに。
「俺は世界中の友達ジミーだ」と、とても大きく自己紹介をしてくれました。
対して、大きなことを言うことができない僕は、自分は東京から来た旅人である、ということだけを告げました。
そしたら 、なぜか説教モードに。
「汗水垂らして働いて、ご両親に恩返ししてやれ、俺は若い時そうやってきてから言えるんだ・・・」と。
確かに、言ってることは正しいのですが、お説教の最中でも、アメリカンが通るたびに、その人等に向かって「マザー○ァッカー」の連呼ですから、イマイチ説得力がないというか・・・・・・、苦笑いをすることしかできませんでした。

 

場所を移して、今度は年金通りへ

ゲート2を後にして、向かった先は、諸見百軒通り。
ここは、別名年金通りと呼ばれています。
年金受給のお年寄りが多いからだそうです。


ゲート2とはうって変わってひっそりとした年金通り

ゲート2と比べると明らかに活気がない年金通り。
お年寄りが道に溢れている風景を想像していたので、ちょっとイメージと違いました。
それでも、スナックの前なんかを通ると三線(サンシン 沖縄の伝統楽器、三味線みたいなもの)の音や、おじぃらしき方の笑い声が聞こえてきます。

 

おばぁスナック初体験

今回コザに来た一番の目的は、実はこの年金通りにあると言うおばぁスナックに行ってみたかったからなのです。
おばぁスナック、60歳を越えたおばぁがママさんをやっているスナックです。
年金受給者が多いというのは、経営側も含めてのことらしい。


スナックが点在する年金通り、このう中におばぁスナックも・・・?

"おばぁ"というのは、おばあさんのことを表す沖縄の方言なのでしょうが、それ以上に、"おばぁ"という言葉は、沖縄の元気でハイカラなおばあさんのことを表す象徴的な言葉として、全国に広まってるようです。

おばぁスナックである店を探すのに苦労しました。
おばぁスナックがあると言うのは聞いていたのですが、具体的な場所は調べ上げることができなかったのです。
まぁ年金通りに着いてから誰かに聞けばなんとなかるか、と思っていたのです。
この適当とも思われる姿勢は、沖縄のテーゲー主義に通じるものだと思われます。
テーゲー主義は奥が深いといわれますが、 沖縄に来てから2週間で早くも体得したのかもしれません。

道行くおじぃに"おばぁスナック"のことを聞いても、「いや、ここら辺はみんなおばぁがやってるさー」とのこと。
この発言もテーゲーなのでしょうか、まさか全部が全部おばぁスナックだとは思えませんが、このままだとラチがあかないので、適当なお店に入ろうと思いました。
スナック自体が初めてなので、とても緊張しながら、もしカラオケを勧められたらビギンの「島人の宝」を歌って島人のご機嫌を伺おうと思いながら、、スナックの扉を開きました。


入った店の雰囲気です。ヘタ過ぎて死にたくなります。

適当に選んで入ったお店のママさんは、失礼ながら確かにおばぁとよんでもよさそうな年齢です。
良かったです、もしおばぁでなければ、そのまま店を出ようと思っていたので、気まずい思いをしないで済みました。
ただ残念なことは、店内での写真撮影NG、店名やママさんやお客さんの名前は伏せるという条件です。

更に残念なことに、店内に入ってきた段階の、「なんで若いのが・・・?」という店に居る人全員のいぶかしげな表情が、いきなり取材確認をしたことで、もっといぶかしげになったのです。
入って数分と経たずに、店内での僕の立場はかなり危ういものとなりました。

以下、店内の様子を箇条書きにしてみます。

  • ママさんの格好は、7色のストライプが入ったアロハっぽいもの。
  • カウンターに大きなガイコツの置物があって、暗闇で光っている。
  • ママさんの他に、お客さんであるおじぃが3人。
  • 会話のほとんどが、ウチナーグチ(沖縄の方言、というよりはほとんど外国語)で、まったく何を言っているのか解らない。
  • ママさんおばぁも少し酔っぱらってる風だった、というか店内で一番酔ってる風。
  • 水戸黄門のポスターが壁に貼ってある。
  • 店自体は普通のスナックと大差がないように思う。
  • タバコを使った手品が始まったが、すぐに終わった。
  • なにやら僕以外の人はみんな楽しそうだ。
  • どうやら僕は相手にされていないようだ。

なんだか、ウチナーグチで僕の悪口を言っているような気がしてきました。
被害妄想がひどくなる前に、店を出たいと思います。

人生初のおばぁスナックですが、1回コールド負けといったところでしょうか、規格外の負け方です。

沖縄でしか飲めないルートビア、サロン湿布風味です

帰りに、A&W(日本では沖縄にしかないファーストフード店)で一人反省会をしました。
ルートビアを飲むと、(美味いかどうかは別として)喉や胸元に湿布を貼った時のようなスーっとしたのどごしを味わうことができるのに、この日は胸がスーっとしません。

後でネットで調べてみると、ほぼ常連のおじぃを専門にしているおばぁスナックがあるようです。
それと、見知らぬおばぁに面と向かって「おばぁ」と呼ぶのは、「ババア」と呼び捨てにしてるのと似たようなものなので、失礼にあたるということも解りました。
僕がおじぃでなかったからか、もしくは失礼なヤツだったからか、一体どちらが今回の敗因なのかはまったく解りませんが、 沖縄にはおばぁスナックが結構あるらしいということも解ったので、是非リベンジをしたいと思います。
今度は、誰かを誘って、そして失礼のないように心がけて。
通訳も欲しいです。


 

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