洋服の布地などに使われる伝統的な模様というのがいくつかあるが、ボーダー柄やチェック柄と並び、定番中の定番の一つとして挙げられるのが水玉模様だろう。
最近ではドット柄という呼び方もするだろうか。世代を超えた愛され方の幅広さはかなりのものだと思う。
長く親しまれている理由には、その単純さもあるだろう。丸い点が並んでいるというシンプルさに、なぜだかわからないままに心ひかれる。
そう、単純さゆえ、自分でも簡単にいろいろなものを水玉化できるのではないか。そう思いついてやってみました。
(小野法師丸)
子供の頃から親しんだ水玉模様と言うと、何を思い浮かべるだろうか。個人的には、カルピスのパッケージの青い水玉を思い出す。
初恋の味とか言われてもいまだにわからないまま
スーパーでよく見かけるのがビンから紙パックへと変わったものの、白地に青の水玉というのは今でも変わらない爽やかさ。商品そのものの魅力とも強く結びついていると思う。
シンプルでストレート、強制的なくらいに爽やか。これに習って、自分も身近なものを水玉化してみたい。
水玉化するためのアイテムは青い丸シール。これを貼っていけば、なんでも手軽に水玉化できるはずだ。
小学校の事務室で意味なく憧れたカラーシール。どちらの大きさも1パック120円ほどだったが、小さい方ならこれで1680枚も入っているとのこと。
うなる水玉シール。規則的な青い丸に早くも興奮。さて、手始めに何を水玉化しようか。
まず選んでみたのは大根。カルピスの白地に青という定番を踏襲しつつ、あまり爽やかさとは縁のないものをチョイスしてみた。プチプチとシールを貼り付ける。
全体的にまんべんなく貼ったら、水玉大根の完成だ。
うーん、これは……さわやかなのだろうか。
青い水玉のさわやかさと大根本来の無骨さとがせめぎあって、どう評価すればいいのかわかりづらいことになっている気がする。どうもなじんでいないのだ。
他にもっと青い水玉がしっくりくるものもあるのではないだろうか。いろいろ試してみよう。
赤地に青が意外に映えたのはトマト。おもしろい色の組み合わせだとは思うのだが、決してさわやかという感じではない。強いて言えば、ファンキーな感じ、というところだろうか。
むしろ食べてはいけない感じが出てしまったようでもある。いかがなものだろう。
蜜柑や椎茸でも試してみたのだが、やはりさわやかな感じはちっとも出てこない。禁じられた蜜柑、悪の椎茸という雰囲気すら漂っているかもしれない。
地の色がポイントなのだろうか。できるだけ白に近いものを、ということで冷蔵庫を探し、マヨネーズで試してみる。
もしかしたら、見方によってはかわいいかもしれない、というところまでなんとか持ってこれただろうか。あまり自信がないが、かろうじてそう見ることもできるか。
そう思ったのだが、こうして水玉化したものを並べてみると、やっぱり爽やかさや楽しさというのとは縁遠い気がする。軽く引く感じ、というのがもっともしっくり来るだろうか。
思ったより難航する水玉化。今度はもう少し大きな視点から水玉化してみたい。