愛媛県の人は、何にでもミカン果汁を入れる、と聞いたことがある。ごはんを炊く時にも果汁を入れるし、家の壁にだって果汁を練り混ぜて風味を良くする…らしい。
一方、長崎の人は何にでもカステラを入れる。
おいおい、そんな話聞いたことないぞ! というツッコミの声が聞こえてきそうだが、ミカン果汁の話はたしか吉田戦車氏の本にそう書いてあった(「ぷりぷり県」だったろうか)。カステラの方は、長崎に住む私がじわじわと実感しつつある印象である。
(text by T・斎藤)
長崎人からも疑問の声
が、 「長崎人は何にでもカステラを入れたがる。」 声に出してそう言ってみたら 「えええええぇ?」 と、何人かの長崎人からも疑問の声があがった。
しかし、この記事を最後まで読んで頂ければ、おそらく 私と同じ感想を抱くようになるんではないかと思う。
最初のアイテム
ではさっそく、ひとつめのアイテムから。 メロンパンである。
なんと中身はカステラ。 その名も「カステラ・メロンパン」。
「メロンパンの仮面をかぶったカステラ」とでも言おうか。 味は、容積比からしても、ほとんどカステラである。
おそらくこれは、メロンパンを作っているうちに、ついつい大好きなカステラのことを考えてしまい、気が付いたらカステラの上にメロンパンを乗せていた(想像)。そんな印象を受ける一品である。
私がよく行っている長崎のbakeというパン屋でみつけた。
太巻き
次に見るのは、一見何の変哲もない、太巻きである。
が、中をよく見ると…
本来そこにだし焼き卵が入っているべき部分を、カステラが占拠している!
最初予備知識なしで食べて、いきなりカステラが出て来た時にはかなり驚いた。
寿司のねたを並べるところに、大好きなカステラの姿が見えなかったことが寂しくていられず、ついに魚たちと一緒に並べてみた(想像)。そんな印象を受ける一品である。
太巻きに入っているカステラはしっとり感が強く、食べると意外にも違和感がなく、美味しい。
長崎の一平寿司というところで出している。
と、このように2つの例を見ただけでも、 長崎人がいかにいろいろな物にカステラを入れたがっているか、理解できたかと思う。
が、せっかくなので、もう少しいろいろ見てみることにしよう。