携帯電話のアンテナってどこにあるんだろう。
ふだんは、画面のすみで電波のつながりやすさを示す記号としてくらいしかその存在を意識しない。「アンテナ3本たってるのに」などと言うけど、じゃあじっさいにどこに立ってるかは見たことがないし分からない。
とはいえ、まちなかにはアンテナがばしばし立っているはず。手元の携帯電話とまさに通信中のアンテナをさがしてみました。
(三土たつお)
アンテナを意識したい
左の写真のように、ごく近くでメールのやりとりをしたりすると、データが携帯電話どうしの間を直接飛んでいくようなイメージを持ってしまう。
でももちろん実際は、何kmもはなれたアンテナをいくつも経由するような遠回りをしてメールがとどいているはずだ。その経路がどうなっているのか、気になる。
詳しい方にご協力をいただく
と思っていたところ、運よく携帯電話に詳しい方に協力をいただけることになった。
山本さんという、無線通信の研究をされている方で、じつは以前編集部あてにメールを下さったことがあるとのこと。そのことを覚えていたライターの古賀さんがこの企画にひきあわせてくださったのだった。
そういうわけで、今回は山本さんとライター古賀さんをあわせて3人で一緒にアンテナをさがしていきます。
たとえば新宿駅前ではどうか
さっそくまちへ出てアンテナをさがしてみた。
JR新宿駅前でしらべはじめたところ、山本さんはあっというまに3キャリアぶん(DoCoMo、Vodafone、au)のアンテナを見つけてしまったという。
そういわれてもさっぱり分からないぼくと古賀さんは、しばらくぼうぜんと新宿の空をながめながら、アンテナを探してみた。
たぶん高いところにあるんだろうな、ということぐらいしか分からないけど。
(下の2つの写真のどこかにアンテナがひとつ写っています。もし分かったらすごいですよ。)
というわけで、山本さんが教えてくれた答えはこちら。
いわれてみると、小田急の駅ビルの上にになにやら変わった形のアンテナが確かにたっている。
高いビルのうえに3つ一組くらいで立っているのが特徴だそうで、それぞれが周りの360度を120度ずつ分担しているらしい。
新宿駅の屋上のほうのアンテナは、ひとつの棒に筒が何個もついている。
「MovaとFomaではアンテナがちがうので、いくつもついてるということはDoCoMoのものかもしれません(山本さん)」とのこと。とはいえ、見ただけでどの電話会社のものかを判断するのは山本さんでも難しいらしい。
それでも、携帯電話のアンテナの見分け方はだいぶ分かったように思う。アンテナっぽくなくて、筒がついてて1組3本のやつが携帯電話のアンテナだ。
左の写真のように、いかにもアンテナっぽい形をしたものは、テレビの受信用だったり避雷針だったりする。
アンテナの先はどこへ?
手元の携帯電話から出た電波が、まずはあのアンテナに届くことはわかった。ではその先はどうなってるんだろう。
DoCoMo の場合、新宿駅周辺のアンテナで受け取った電波は、代々木にある例の高いビルで中継されるらしい。ちょっとだけ見に行ってみた。